研究課題/領域番号 |
21K16827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
木戸口 正典 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (30880132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アレルギー性鼻炎 / 舌下免疫療法 / 薬理遺伝学 / 全ゲノム関連解析 |
研究開始時の研究の概要 |
スギ花粉症やダニ抗原アレルギー性鼻炎は近年増加傾向であり、日本人の2人に1人が罹患している国民病である。スギ花粉およびダニ抗原舌下免疫療法は唯一根治性のある治療として注目されているが、2年以上の長期治療にも関わらず効果が乏しい症例が一定数存在する。本研究では、ダニ抗原舌下免疫療法患者の遺伝子型と舌下免疫療法への応答性との関連を明らかにすることを目的とする。さらに、ダニ抗原舌下免疫療法の応答性が予測可能な薬理遺伝学的バイオマーカーの開発を目指す。
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研究実績の概要 |
スギ花粉症やダニ抗原アレルギー性鼻炎は近年増加傾向であり、日本人の2人に1人が罹患している国民病である。スギ花粉およびダニ抗原舌下免疫療法は唯一根治性のある治療として注目されているが、2年以上の長期治療にも関わらず効果が乏しい症例が一定数存在する。申請者は、スギ花粉舌下免疫療法を行っているスギ花粉症患者において、スギ花粉抗原ペプチドと結合するHLA領域の遺伝子型のうち、HLA-DPB1*05:01遺伝子型を保有する患者は、保有しない患者と比較し て、治療応答性が低いことを見出した。さらに、特異的な遺伝子多型を用いたHLA遺伝子型の検査方法を確立し、スギ花粉舌下免疫療法の応答性が予測可能な薬 理遺伝学的バイオマーカーを発見した。本研究では、ダニ抗原舌下免疫療法患者のHLA遺伝子型と舌下免疫療法への応答性との関連を明らかにすることを目的とし、ダニ抗原舌下免疫療法の応答性が予測可能な薬理遺伝学的バイオマーカーの開発を目指す。 研究代表施設および研究協力施設において、ダニ抗原舌下免疫療法を行っている患者のうち400名を症例登録した。研究対象者の舌下免疫療法の治療開始前後の症状アンケートを取得し効果判定を行った。参加者からそれぞれ血液を採取し、DNAを抽出した。抽出後はDNA濃度の定量ならびに品質チェック(QC)を行い、遺伝子型が同定困難な低濃度ならびに低品質サンプルはなかった。抽出したDNAのうち300症例について、Infinium Asian Screening Array(Illumina)を用いて遺伝子型決定を行った。さらに、Arrayで得られた結果から、GenomeStudio softwareを用いて実験結果のQCを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標症例数の参加者から検体採取と臨床データ取得を行い、全検体のDNA抽出が終了した。 抽出したDNAを用いて、Arrayによる遺伝子型決定を行った。Arrayによって得られたゲノムデータからより高精度にHLA遺伝子型決定(imputation法)を行うために、新たな日本人集団のリファレンスデータの利用が必要となり、新たな倫理審査に時間を要したためやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
Arrayによって得られたゲノムデータを日本人集団のリファレンスデータと照合することでHLA遺伝子型を決定する(imputation法)。さらに、全ゲノム関連解析(GWAS)として、各HLA遺伝子型とダニ抗原舌下免疫療法への治療応答性・非応答性を比較し、ダニ抗原舌下免疫療法患者のHLA遺伝子型と舌下免疫療法への応答性との関連を明らかにする。
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