研究課題/領域番号 |
21K16831
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 公二 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40804365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 頭頸部扁平上皮癌 / RNAスプライシング / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の治療は解剖学的進展度に基づいて行われるが、悪性度を規定する分子メカニズムは未解明で、それを標的にした治療法はまだない。本研究では、SF3B2がRNA前駆体に結合して選択的スプライシング異常を誘導しHNSCCの高悪性化に関与することから、核酸医薬を用いてこの選択的スプライシング異常を特異的に制御する手法を開発する。
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研究成果の概要 |
PAR-CLIP(photoactivatable ribonucleoside-enhanced crosslinking and immunoprecipitation)を用いて頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)に特異的なSF3B2の結合配列を同定し、その配列をもったデコイを作成しHNSCC細胞株に導入した。しかし、コントロール、特異的配列をもったデコイともに導入した細胞株において細胞死を認めた。これはデコイの不安定性のため修飾した物質による細胞毒性が強かったことが原因と考えられた。さらに修飾の条件を検討したが、状況は改善せず現時点で技術的にデコイを用いた治療法の開発は困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核酸医薬によるスプライシング制御の治療法が開発されれば、従来の低分子医薬や抗体医薬とは異なり、癌の高悪性化に関わる選択的スプライシング異常をRNAのレベルで特異的に制御できるため、新たなアプローチで、特異性が高く、また副作用が少ない新たな治療法への発展が期待できる。本研究ではSF3B2の結合配列は同定できており安全で腫瘍への送達が可能な核酸医薬が開発されれば治療法として急速に普及することが予想されることから、その一歩として意義ある研究であると考える。
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