研究課題/領域番号 |
21K16837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
内 龍太郎 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 耳鼻咽喉科医師 (80780840)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 中咽頭癌 / メタボロミクス / プロテオミクス / HPV関連癌 |
研究開始時の研究の概要 |
中咽頭癌には飲酒や喫煙が背景となる発癌、ヒトパピローマウイルス(HPV)が関与する発癌が存在する。HPV関連中咽頭癌は、非関連癌に比べて化学療法や放射線療法の効果が高いことが知られている。しかし、一律に効果が高い訳ではなく、この治療効果の高さを予測可能な、血液中の蛋白質などの物質は明らかになっていない。本研究では中咽頭癌患者の組織や血液中のタンパク質、代謝産物を網羅的に解析することで、治療効果が高い癌かどうかを予測可能な新規の分子を同定することを目的としている。
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研究実績の概要 |
中咽頭癌はHPV関連であるp16陽性癌およびHPV非関連であるp16陰性癌に分類され、その分子・遺伝学的な特徴は大きく異なり、予後を含めた臨床像も異なっている。p16陽性中咽頭癌とp16陰性中咽頭癌についての様々な比較研究が行われているが網羅的な代謝産物や代謝酵素に着目した比較研究はなかった。今回、p16陽性およびp16陰性中咽頭癌の代謝機構について比較検討を行うため、p16陽性中咽頭癌患者7例(POS群)、p16陰性中咽頭癌患者4例(NEG群)および非癌扁桃摘出術症例3例(CONT群)より組織を採取、即時凍結を行い、質量分析装置を用いたメタボロミクス解析および代謝酵素タンパクの高精度定量解析(iMPAQT法)を行った。 その結果、メタボロミクス解析で代謝産物351種を測定した。CONT群と中咽頭癌群(POS群+NEG群)の比較では91種の代謝産物に有意な差を認めた。POS群、NEG群両者に共通する特徴として多数のアミノ酸の増加や多価不飽和脂肪酸の減少を認めた。POS群とNEG群間の比較では22種の代謝物に有意な差を認めた。例として、リシン代謝経路の複数の代謝産物(L-Saccharopine, L-2-Aminoadipate, L-Carnitine)やヌクレオシド三リン酸であるCTPやGTPがPOS群で増加していた。 中咽頭癌と非癌扁桃腺では代謝パターンは大きく異なっていることが確認された。またp16陽性中咽頭癌とp16陰性中咽頭癌の比較においても異なる代謝産物の特徴を認め、臨床像の違いに影響を与えているかもしれない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の解析をおおむね終了した。現在研究内容を公表するため、論文執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究内容の公表のため論文執筆を行う。 また、p16陽性中咽頭癌と陰性中咽頭癌で得られた異なる代謝パターンを反映するタンパクについて免疫染色を行い、多数臨床標本での検証と臨床応用の可能性について探索する。
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