研究課題/領域番号 |
21K16838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
岸野 明洋 東北大学, 加齢医学研究所, 分野研究員 (80825307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | NRF2 / 硫黄代謝 / ミトコンドリア膜電位 / シスチン / シスチンパースルフィド / システインパースルフィド / グルタチオン / 感音難聴 / 小胞体ストレス / オートファジー / 還元ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
感音難聴は世界で最も頻度の高い身体障害の一つであり、新規治療法の確立のために更なる病態生理の解明が求められる。これまでに我々は、内耳感覚細胞においてオートファジーの機能障害が小胞体ストレスに対する脆弱性を増大させ細胞死を促進することを明らかにした。近年、オートファジーの機能障害は酸化ストレスに対する生体防御機構として中心的な役割を担うNRF2の持続活性化を誘導し、還元ストレスによって生体障害を引き起こすことが明らかになった。本研究では、オートファジー機能障害によって誘導されるNRF2持続活性化がもたらす還元ストレスと小胞体ストレスの関連性を分子生物学的に解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はNRF2のミトコンドリア機能活性化の分子機構を解明することである。細胞外からグルタチオンパースルフィドを添加すると、細胞内のシステインパースルフィドが増加し、ミトコンドリア膜電位の増強と酸素消費の増加が観察された。NRF2の活性化でも同様の結果が観察された。NRF2の活性化と同時にNRF2の標的遺伝子であるシスチントランスポーターxCTの発現抑制またはCARS2阻害のいずれもミトコンドリア膜電位の増強と酸素消費の増加がキャンセルされた。故に、NRF2はxCTの発現増加によって細胞のシスチン取り込みを増加し、システインパースルフィドの生成を増加させてミトコンドリア機能を活性化する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアの生理学的に重要な細胞小器官であり、ミトコンドリアの機能不全は老化や様々な疾患と関連している。本研究では、NRF2がxCTを介してシスチンの取り込みを促進し、ミトコンドリアにおける活性硫黄種の産生と代謝を促進することによりその機能を増強することが明らかになった。NRF2のミトコンドリア機能の活性化の分子機構を明らかにすることによって、今後様々な疾患の病態解明に貢献し得る。
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