研究課題/領域番号 |
21K16845
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) (2022-2023) 九州大学 (2021) |
研究代表者 |
中野 貴史 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 客員研究員 (20770100)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 唾液腺癌 / 頭頸部癌 / 癌幹細胞 / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
高悪性度唾液腺癌は、解剖学的な複雑さに起因する手術困難な場合が多く、遠隔転移症例は予後不良である事が多い。更に、有効な化学療法は殆ど存在しない。その原因として、唾液腺癌癌幹細胞がこれまでの化学療法に抵抗性である事が挙げられる。しかし、従来の唾液腺癌治療・研究では癌幹細胞の存在を考慮されずに行われており、癌幹細胞(CSC)と癌幹細胞以外の癌細胞(non-CSC)を個別に治療のターゲットとした研究はない。本申請研究は、唾液腺癌CSCを直接のターゲットとした治療とnon-CSCをターゲットとした既存の化学療法と併用する事で唾液腺癌の化学療法抵抗性を克服する新たな治療戦略の確立を目指すものである。
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研究成果の概要 |
九州がんセンター及び九州大学での症例の収集及び臨床病理学的情報の収集・解析を行なった。進行唾液腺癌ではEGFR発現の頻度は高いが、EGFRをターゲットとしたレジメンの治療効果は十分には得られなかった。また、進行頭頸部癌においては免疫チェックポイント阻害薬の忍容性と効果について示した。特にこれまでに十分なデータのなかった上咽頭癌でも効果を認めることを示し、免疫チェックポイント阻害薬が治療の選択肢の一つになり得ることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
唾液腺癌の有効な治療法は手術療法のみであり、遠隔転移を有する症例に対しては有効な全身治療選択肢や十分な予後マーカーは未解明である。唾液腺癌でEGFRは高頻度に発現していることを多数の症例で示せたことは、今後の治療ターゲットになり得ることを示したため意義深い。更に、上咽頭癌を除く頭頸部癌で有効性が証明されていた免疫チェックポイント阻害薬を含む治療レジメンも、上咽頭癌でも忍容性・有効性を明らかにした。手術困難例が多く、転移しやすい上咽頭癌に対して有効な治療選択肢が増えたことも非常に意義深いと考えられる。
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