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RTK/RAS/PI3K遺伝子異常による頭頸部腫瘍発生を抑制するー治療への展開

研究課題

研究課題/領域番号 21K16852
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
研究機関東北大学

研究代表者

黒沢 是之  東北大学, 医学系研究科, 講師 (10770349)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワード舌癌 / マウス発がん実験 / PP6 / KRAS / 脱リン酸化酵素 / がん抑制遺伝子 / 舌がん / 発がん実験 / 頭頸部腫瘍 / ホスファターゼ
研究開始時の研究の概要

頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)のHPV(-)組織では、受容体チロシンキナーゼ(RTK)のEGFR/ERBB2またはEGFR1/3の変異が最も多い。またその下流のHRAS、PI3CA、PTENの変異が存在し、RTK/RAS/PI3K経路がHNSCCの発がんに関与している。一方腫瘍抑制因子であるTrp53が84%で変異していることが知られている。本研究では、我々が同定した新規がん抑制遺伝子PP6に注目し、KRAS(G12D)を持ちTrp53をホモ欠損したマウスの舌におけるPP6のがん抑制機能の詳細を解析する。

研究成果の概要

マウスの舌で、K-rasG12D発現に加えてPP6ホスファターゼ遺伝子(Ppp6c)を欠損させると早期に上皮内癌が発症し約2週間で安楽死処置となった。一方でK-rasG12D発現のみでPpp6cが正常の場合はほとんど野生型の舌と区別がつかなかった。K-rasG12D+Ppp6c欠損の腫瘍組織においては、ERK-ELK-FOS axis、AKT-4EBP1 axis、 AKT-FOXO-CyclinD1の活性化が認められた。また、γH2AXの蓄積とNFkB経路の活性化が認められた。マウス舌において、PP6の機能不全は、KRAS(G12D)依存的腫瘍化を強く増強させることを明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義

現在のところ、がん原性RASによって発生したがんの治療法として、数多くの抗RAS試薬が提案されているが、決定的な治療法はまだ確立されていない。今回、我々は、PP6ホスファターゼが変異型RASによりドライブされるERK、AKT、NFkBの異常な活性化を抑制することで、腫瘍抑制因子として機能していることを発見した。現在、世界中でホスファターゼの活性化物質のスクリーニングが行われている。将来的には、PP6 活性化因子が、変異型RASによる発がんを抑える新しい治療戦略となりうるのではないかと考える。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] PP6 deficiency in mice with KRAS mutation and Trp53 loss promotes early death by PDAC with cachexia-like features.2022

    • 著者名/発表者名
      Fukui K, Nomura M, Kishimoto K, Tanuma N, Kurosawa K, Kanazawa K, Kato H, Sato T, Miura S, Miura K, Sato I, Tsuji H, Yamashita Y, Tamai K, Watanabe T, Yasuda J, Tanaka T, Satoh K, Furukawa T, Jingu K, Shima H.
    • 雑誌名

      Cancer Sci.

      巻: 印刷中 号: 5 ページ: 1613-1624

    • DOI

      10.1111/cas.15315

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 顎骨再建における術前コンピューターシミュレーションの活用2021

    • 著者名/発表者名
      黒沢是之
    • 学会等名
      第64回日本形成外科学会総会・学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-01-30  

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