研究課題/領域番号 |
21K16865
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小林 航 東北大学, 大学病院, 助教 (20646442)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 常染色体優性視神経萎縮症 / ミトコンドリア機能障害 / iPS細胞由来網膜神経節細胞 / ミトコンドリア機能不全 / ミトコンドリア / 視神経委縮 / iPS細胞 / 遺伝性視神経委縮症 / 網膜神経節細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではレーベル遺伝性神経症(Leber’s hereditary optic neuropathy: LHON)患者由来induced pluripotent stem (iPS) 細胞及び常染色体優性視神経萎縮症(autosomal dominant optic atrophy: ADOA)患者由来iPS細胞を作製し、分化誘導した人工的立体網膜組織を用いて異なるミトコンドリア異常がもたらす視神経委縮の病態解明を目指す。
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研究成果の概要 |
健常者及びADOA患者由来のiPS細胞から作製した立体網膜組織を最長50日間培養し、網膜組織から網膜神経節細胞をMACSを用いて分離した。JC-1 MitoMP Detection Kitを用いてミトコンドリア膜電位を染色したところ、神経突起中の高膜電位のミトコンドリアが有意に減少していた。Alamar blue assayによる細胞生存率の比較では、両群間に有意差は見られなかった。これらの細胞に過酸化水素による酸化ストレスを与え、細胞生存率を比較したところ、ADOA群では正常群に比べ、細胞生存率が有意に低下していた。また、ADOA群では神経突起の伸長密度が正常群に比べ有意に低下していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から常染色体優性視神経萎縮症の患者網膜では生まれつき神経線維の密度が低い可能性が示唆された。さらに高膜電位のミトコンドリアが少ないことで酸化ストレスなどの神経変性を来す障害に対して脆弱であるため早期に神経委縮を来す病態であることが考えられる。遺伝子編集により原因遺伝子を修復することで神経線維密度を改善することが出来る可能性が示唆され、今後は薬剤スクリーニングを行いこの脆弱性から保護出来るような新規薬剤の同定が出来れば視機能障害の進行を抑制できる可能性があると考えられる。
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