研究課題/領域番号 |
21K16868
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
上野 勇太 筑波大学, 医学医療系, 講師 (90759317)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 偏光感受型光干渉断層計 / 房水流出主経路 / シュレム管 / 集合管 / 光干渉断層計 / 緑内障 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では前眼部光干渉断層計の動画撮影で前房水の流速測定を可能とするとともに、偏光感受型光干渉断層撮影や光干渉断層血管撮影の最新機器を用いてシュレム管・集合管・房水静脈の画像化が可能であることを示す。これにより緑内障患者における房水動態を、前房水の流れと房水流出路の関係を分析することで解明出来る可能性を示す。症例ごとに房水産生能や房水流出主経路の客観的評価を行うことが可能となれば、最適な治療法(例えば房水産生を抑制する点眼やレーザー、主経路を賦活化させるような点眼や手術など、オーダーメイドで効果的な治療法)を選択できるという臨床応用まで可能になると期待する。
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研究実績の概要 |
本研究計画は、基礎実験①:前眼部光干渉断層計を使用して標準粒子溶液を対象とした粒子の流れの定量測定、臨床試験①:偏光感受型光干渉断層計を用いた生体での隅角解析、光干渉断層血管撮影による強膜・結膜血管の定量評価、臨床試験②:基礎実験①と臨床試験①の組み合わせ評価や緑内障点眼や手術前後の解析、である。 2022年度に引き続き、先行研究(18K16944)にて設置した偏光感受型前眼部光干渉断層計のチューニングや解析装置の改良を行うとともに、正常眼・緑内障眼の撮影を粉って前房・隅角データ収集を行った。2021年に投稿した論文(Ueno,et al: Transl VisSci Technol. 2021)の通り、偏光感受型前眼部光干渉断層計を用いることで隅角組織のコントラストをつけることが可能であり、線維柱帯の質的評価が可能である。マニュアル解析を行うことで、緑内障眼では正常眼よりも線維柱帯が高複屈折になることを報告済みであるが、隅角底を自動で検出して線維柱帯の複屈折を測定する自動プログラムを試作した。自動化プログラムではマニュアル解析の結果と相関がみられるものの、正常眼と緑内障眼の有意差がなくなっており、自動解析プログラムの課題も明らかとなった(2023年第77回日本臨床眼科学会にて発表済み)。 なお、標準粒子溶液を用いた粒子測定の実験系(基礎実験①)は構築済みであるが、こちらは画像解析プログラムの試作について技術者と相談しているものの最適なプログラム開発に至っておらず、引き続き相談を進めていく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
隅角解析の項目に関しては想定通りの成果が得られ、2021年の投稿論文の更なる裏付けなどを行うべく、自動で定量解析を行うプログラムを試作した。マニュアル解析との相関がある一方、解析範囲の特定には課題もあり、今後の改良を要することを学会発表した。標準粒子溶液を用いた粒子測定の実験は最適な画像解析プログラムの選別が依然として遅れており、実験自体が行えていない。これに関してはマイナスであり、『前房水の流れを定量的に評価する』点で遅れを取っている分、早急にプログラムを確定して実験に取り組みたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画は、基礎実験①:前眼部光干渉断層計を使用して標準粒子溶液を対象とした粒子の流れの定量測定、臨床試験①:偏光感受型光干渉断層計を用いた生体での隅角解析、光干渉断層血管撮影による強膜・結膜血管の定量評価、臨床試験②:基礎実験①と臨床試験①の組み合わせ評価や緑内障点眼や手術前後の解析、である。隅角解析の項目に関しては予定以上の成果が得られており順調である。さらに、2024年3月に眼底の偏光感受型光干渉断層計を用いて生体組織における線維走行の軸を画像化する記述が発表された。これを前眼部に応用することで、さらに詳細な光学特性を評価できる可能性が高く、2024年度中に角膜・強膜・隅角の画像解析に応用する計画である。 一方で、標準粒子溶液を用いた粒子測定の実験は最適な画像解析プログラムの選別が遅れており、実験自体が行えていない。これに関してはマイナスであり、『前房水の流れを定量的に評価する』点で遅れを取っている分、早急にプログラムを確定して実験に取り組みたいと考えている。
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