研究課題/領域番号 |
21K16876
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中間 崇仁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30827556)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 血管新生緑内障 / 線維血管増殖 / 抗VEGF療法 / マトリセルラー蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、眼虚血症候群などによる網膜虚血をベースとして発症する血管新生緑内障は、重篤な視覚障害の原因となる主要病態の一つである。近年臨床応用されている抗VEGF薬硝子体内注射が、我が国では2020年3月に血管新生緑内障治療にも承認され、血管新生緑内障の治療は新たな時代を迎えたが、治療法は未だに確立されておらず、抗VEGF療法による弊害の可能性も考えられる。本研究では、臨床現場のアンメットニーズである抗VEGF療法時代の難治性血管新生緑内障においてマトリセルラー蛋白が重要な役割を果たしているかを検討し、血管新生緑内障の新規治療戦略の構築を試みる。
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研究成果の概要 |
抗VEGF療法を含む集学的治療を行った血管新生緑内障症例を後ろ向きに検討した。手術加療を施行した症例の8割程度は手術前に抗VEGF療法を併用しており、血管閉塞だけでなく線維増殖も伴った状態である隅角閉塞期に手術となっていた。また、手術後の線維組織形成により術後にさらなる追加処置が必要になった症例が散見された。 前房水などのサンプル解析からは、血管新生緑内障においてペリオスチンやテネイシンCを含むマトリセルラー蛋白濃度が上昇していることを確認し、現在臨床病態との関連や機能解析を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗VEGF療法を含む集学的治療を行っても制御が困難な難治性血管新生緑内障の治療の実態を詳しく検討し、実情を把握出来た。検討結果から、抗VEGF療法を含む血管新生のみを標的とした治療のみでは制御困難な症例が多く存在し、線維増殖を標的とした新規治療が必要であることが考えられた。 線維増殖への関与が考えられるペリオスチンやテネイシンCを含むマトリセルラー蛋白が血管新生緑内障症例で上昇していたことから、マトリセルラー蛋白を標的とした治療が、抗VEGF療法を含む集学的治療を行っても制御困難な難治性血管新生緑内障に対する新規治療となり得ると考えられた。
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