研究課題/領域番号 |
21K16882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森 紀和子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (10880081)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 近視 / オメガ3多価不飽和脂肪酸 / 近視進行抑制 / 炎症 / 遺伝子改変マウス / 抗炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
近視罹患数は急増しており、近視の原因究明や予防法の開発は急務である。申請者らは過去に抗炎症・抗酸化作用を有する天然色素由来のクロセチンの近視進行抑制効果を動物実験及び臨床試験で証明したが、同じ抗炎症作用を有するオメガ3多価不飽和脂肪酸(omega3-polyunsaturated fatty acid; ω3PUFA)にもクロセチン同様の近視抑制効果がある可能性に着目した。ω3PUFAは体内のマクロファージに作用し抗炎症作用を有することが明らかになっている。そこで本研究では、ω3PUFAに近視抑制作用があるか、この作用にマクロファージによる抗炎症作用が関与しているかについて検証する。
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研究成果の概要 |
マウス近視誘導(lens induced myopia; LIM)モデルを用いて、ω3不飽和脂肪酸(PUFA)の近視抑制効果を検証した。マウスを人為的に近視誘導しLIMモデルを作成したのち、ω3PUFAを摂取させて近視が抑制されることを確認した。次に、ω3PUFAを体内で産生することのできる遺伝子改変マウスにω3PUFAを含まない餌を投与することでω3PUFAの近視抑制効果を証明した。さらにマクロファージを人為的に操作することにより炎症を惹起したマウスが近視になること、その近視になったマウスにω3PUFAを与えて近視抑制になることを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は昨今急増する近視罹患数に対応すべく計画された近視進行予防法の開発の一環である。オメガ3多価不飽和脂肪酸(ω3PUFA)は、様々な疾病予防効果が証明され製品化に至っているが、近視進行抑制に対する効果について過去に報告はなかった。クロセチンとω3PUFAは抗炎症作用を有する点で類似しており、炎症制御による近視進行抑制効果が考えられるが、近視と炎症との関連はこれまでにも議論されている。ω3PUFAにはすでに近視進行抑制効果が実証されている天然色素由来であるクロセチンと同様の機序により、抗炎症効果を介して近視抑制効果を持つ確証があった。本研究ではその効果の検証およびメカニズムの解明が行われた。
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