研究課題/領域番号 |
21K16891
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
前田 奈津姫 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20748769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 網膜色素変性 / カルパイン阻害ペプチド / ロドプシン遺伝子変異 / ペプチド徐放デバイス / 視細胞死 / ミトコンドリアカルパイン / カルパイン抑制ペプチド / ペプチド療法 / カルパイン / 視細胞保護 / ロドプシン |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでの選考研究によってロドプシン遺伝子P23HおよびS334terトランスジェニックラットの視細胞変性過程における光干渉断層計(OCT)所見とその組織学的および電子顕微鏡的変化との関連性について明らかにした)。本研究ではそれらの結果を基盤として、ミトコンドリアカルパインを特異的に阻害するペプチドの徐放デバイスを結膜下に埋植することにより、期待される視細胞変性の遅延がOCTによりどのように検出できるのかを明らかにしたい。そして得られたOCT所見が組織学および電子顕微鏡所見のどのような変化に対するかについても明らかにしたい。
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研究実績の概要 |
網膜色素変性における視細胞死をめぐる研究では、初期に考えられたカスパーゼ依存的アポトーシスばかりでなく、カスパーゼ非依存的アポトーシスやネクロプトーシスなどの関与も無視できないことが分かってきている。特にカスパーゼ非依存的な視細胞死にはカルパインが関与していることが最近の研究で報告されている。カルパインを特異的に抑制するペプチドの点眼により各種網膜変性モデルラットの網膜変性の進行を遅延できることは既に報告している。しかし、ペプチドは低分子のため易分解性であり適切な濃度を保つためには頻回の点眼を要し将来的な臨床応用を考えると何らかの持続的な投与法を考慮する必要がある。そこで、本研究ではペプチドを徐放できるデバイスをロドプシン変異ラット眼に埋殖することにより、ペプチドの持続投与を可能にし視細胞変性の遅延の有無を検証することを主たる課題としている。 当該年度はロドプシン遺伝子P23Hトランスジェニックラットに引き続き、S334terトランスジェニックラットを網膜色素変性モデルラットとして用い、生後20日前後のラット6頭の片眼にカルパイン阻害ペプチド徐放デバイスを埋植した。その後3か月間、非埋植眼を対照として光干渉断層法(OCT)による視細胞変性過程の進行を記録した。また、網膜電図(ERG)の測定と、光学顕微鏡及び電子顕微鏡による形態観察を行った。現在、取得したデータについて対照群と比較解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和5年度は7月から12月まで産前産後休業及び育児休業を取得したため、その間は実験を中断しており、進行に遅れを生じた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年、5年度に産前産後休業、育児休業を取得したことにより当初の計画より全体的な進行の遅れを生じているが、ラットを用いたデータの取得は概ね終了しており、今後は更なるデータ解析、学会での研究成果の報告を行っていく予定である。
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