研究課題/領域番号 |
21K16895
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上田 奈央子 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (90890955)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | reticular pseudodrusen / 加齢黄斑変性 / RAP / geographic atrophy / drusen / Japanese / type 3 MNV / SDD / AMD / macular atrophy / choroidal thickness / 萎縮型加齢黄斑変性 / 網膜血管腫状増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)は網膜の中心部分(黄斑)が障害される疾患で、先進国の主な成人失明原因の一つである。網膜下沈着物である軟性ドルーゼンはAMD発症のリスクであるが、軟性ドルーゼンとは異なる特徴を持つreticular pseudodrusenはAMD発症のリスクがさらに高く、特に萎縮型AMDや網膜血管腫状増殖との関連が強い。病態や発症機序、遺伝的背景については不明な点もあり、国内からの報告は限られている。本研究では日本人のAMDにおけるreticular pseudodrusenの臨床的特徴、遺伝学的特徴、長期経過につき調べ、発症機序やAMD発症に至るメカニズム解明に必要な知見を得る。
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研究実績の概要 |
Reticular pseudodrusenは後期加齢黄斑変性発症のリスクが高い所見として知られており、特に萎縮型加齢黄斑変性および滲出型加齢黄斑変性の中では両眼発症の頻度が高い3型黄斑部新生血管(網膜血管腫状増殖)との関連が強いことが知られている。病態や発症機序、遺伝的背景については不明な点も多く、日本人におけるreticular pseudodrusenの報告は限られている。 日本人の加齢黄斑変性患者において、retiular pseudodrusenを認める症例を複数の画像検査所見を組み合わせることでより正確に診断を行い、症例を蓄積している。診断がついた症例については臨床的特徴(年齢、性別、眼軸長、視力、脈絡膜厚、ドルーゼン合併の有無と種類、後期加齢黄斑変性の有無、後期加齢黄斑変性の病型など)のデータおよび遺伝学的背景(加齢黄斑変性と関連が深いとされている一塩基多型)のデータを蓄積している。 長期経過については、ベースライン時にreticular pseudodrusenを認め後期加齢黄斑変性がなく3年以上経過が追えた症例につき、経過中に後期加齢黄斑変性を発症するリスクおよびリスク因子についての解析を進めている。 日本人の萎縮型加齢黄斑変性において、地図状萎縮の進行速度に関わるベースラインでのリスク因子を解析し、reticular pseudodrusenが進行が速い地図状萎縮のリスク因子であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床的特徴については研究対象症例を選出し各項目につきデータ収集および画像解析を行っており、おおむね順調にデータの蓄積ができている。遺伝学的検索については順次行っている。解析にはさらに症例数の蓄積、データ収集および画像解析が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
日本人におけるreticular pseudodrusenの症例を加齢黄斑変性の病型別に分け、臨床的特徴については、各項目(年齢、性別、眼軸長、reticular pseudodrusenのsubtypeおよび局在、両眼性か片眼性か、脈絡膜厚、初診時視力、最終視力、最終眼底所見、ドルーゼン合併の有無と種類、後期加齢黄斑変性合併の有無、後期加齢黄斑変性の病型、後期AMD治療内容)について現在行っている画像解析およびデータ収集をさらにすすめ、AMDの病型別に差があるかどうかを検討し報告する予定である。 遺伝学的背景については、現在行っている一塩基多型の検索を継続し、データの蓄積をさらにすすめていく。 長期経過については3年以上経過が追えている症例を対象に現在行っているデータの蓄積をさらに進め、加齢黄斑変性の病型別にreticular pseudodrusenの有無により患者像、眼底所見、治療経過、視力予後などについて解析し、報告する予定である。
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