研究課題/領域番号 |
21K16902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 (2022-2023) 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部 (2021) |
研究代表者 |
北畑 将平 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (30885398)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 網膜色素上皮細胞 / 細胞保存 / 細胞代謝 / 糖代謝 / 細胞懸濁液治療 / 再生治療 / 細胞培養 / 細胞培地 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の失明の主な要因とされる加齢黄斑変性(AMD)は加齢による網膜色素上皮細胞(RPE)の機能不全により、炎症反応が惹起され機能障害を引き起こすとされる。AMDに対する治療としては光線力学的療法や抗VEGF療法などが行われているが、難治症例も多い。新たな治療法としてESやiPS細胞など幹細胞由来のRPEを分化誘導し、患者の網膜下に移植する細胞移植治療が注目されている。これら治療法が広く普及するためには細胞の同質性を確保した上で、長期間保存し得る保存培地の検討が必須である。本研究では糖のみ改変した培地を用いて、iPS細胞由来RPE細胞に対する糖の影響を明らかにしたいと考えている。
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研究実績の概要 |
網膜色素上皮(RPE)は光受容体の機能を維持する上で重要な役割を果たしており、その機能不全はさまざまな網膜変性疾患に関連しています。 これらの疾患の治療法として、再生医療、特に幹細胞由来のRPE細胞の移植が注目を集めており、効率的な輸送・保存システムの必要性が強調されています。 この研究は、保存培地中のさまざまな糖が RPE 細胞にどのような影響を与えるかを調べることを目的としています。ヒト RPE 細胞は、さまざまな糖を含む改変培地で培養および懸濁されました。 トリパンブルー染色と液体クロマトグラフィーを使用して細胞生存率を評価し、代謝指標を評価しました。この研究により、フルクトースを含む培地は、グルコースや他の糖と比較して、低酸素条件下でもRPE細胞の生存促進において他の培地よりも優れていることが明らかになりました。 接着培養条件では、フルクトースはより高い細胞生存率を示しましたが、ラフィノースとキシロースは細胞の剥離を引き起こしました。 クロマトグラフィーにより、フルクトースが非嫌気性代謝に関与していることが示され、フルクトースの有効性が説明される可能性があります。 懸濁液中では、フルクトースはグルコースよりも高い細胞生存率を維持しており、エネルギー生成におけるフルクトースの役割が強調されています。 さらに、フルクトース含有培地は低酸素マーカーを抑制し、低酸素ストレスに対する耐性が増加したことを示しました。この研究は、保存培地中の糖組成がRPE細胞に与える重大な影響を強調し、危険な条件下で細胞生存を促進する可能性のあるフルクトースを強調しています。 フルクトースの抗酸化特性により、フルクトースは懸濁液保存の有望な候補となります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究はほぼ終了している。 現在論文投稿の準備を行っている
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今後の研究の推進方策 |
今後論文にまとめて学術論文に投稿する予定である。 追加実験の必要性を指摘された場合は、それに対応する実験を行っていきたい。
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