研究課題/領域番号 |
21K16908
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
稲垣 絵海 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (40464903)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 眼表面難治疾患 / 慢性移植片対宿主病 / 間葉系幹細胞 / 細胞移植治療 / 安全性試験 / 再生医療 / 幹細胞移植療法 |
研究開始時の研究の概要 |
臓器線維化は臓器に共通する重要な臨床課題であり、主要臓器では肝硬変や肺線維症を来した場合は致死に至り、眼表面重症瘢痕性疾患では失明に至る。蚕食性角膜潰瘍、Stevens-Johnson症候群、眼類天疱瘡や角膜熱傷などは眼表面における重症瘢痕性病変の一つである。近年再生医療の領域では細胞移植医療治療による機能回復が期待されている。間葉系幹細胞は特に安全性が高く機能的な細胞源として着目されている。本研究ではげっ歯類線維化モデルを用いて、重症眼瘢痕性難治疾患に対する間葉系幹細胞移植療法による革新的疾患制御の可能性について検討を行う。
|
研究成果の概要 |
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞(以下、ADSC)は、免疫調節機能・抗炎症作用を有する。慢性移植片対宿主病(cGVHD)モデルを用い眼科領域におけるADSCの有効性・安全性評価について検討を実施した。マウスcGVHDモデルを作成し、ADSCの投与を施行した。移植後経時的に角膜上皮障害・角膜混濁スコアを定量し、ADSC移植群は陰性対照群と比して有意な上皮障害改善効果および角膜混濁抑制効果を認めた(p>0.05)結論としてADSCの眼結膜下投与はcGVHDの眼表面障害に対して有効性を認め、体内動態・刺激性試験の結果からも、安全性が高く、新たな眼表面疾患への新規モダリテイとして期待できうることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト脂肪由来間葉系幹細胞(以下、ADSC)は、免疫調節機能・抗炎症作用を有することから既存治療に抵抗性を示す免疫疾患等に対する新たなモダリティとして期待されている。本研究によって慢性移植片対宿主病(cGVHD)モデルを用い眼科領域におけるADSCの有効性・安全性評価について実証した。現在詳細なメカニズムの解析について実施をしているところである。失明に繋がるような眼表面難治疾患での適応さらには、他の難治眼炎症性疾患への適応拡大などが今後期待できうる。また臨床応用をめざした体内動態試験および家兎を用いた安全性試験も実施し、トランスレーショナルリサーチとしての枠組みをめざしている。
|