研究課題/領域番号 |
21K16914
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 賢次 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70897892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | バイオフィルム / 創傷治癒 / 好中球NETs / DNAse / 慢性創傷 / 糖尿病性足潰瘍 / 急性創傷 / 好中球NETs / DNase |
研究開始時の研究の概要 |
近年、慢性創傷の難治化にバイオフィルムが深く関与していることは広く知られるようになり、バイオフィルム制御が慢性創傷治療の鍵と言われる。加えて、好中球細胞外トラップ(NETs)は創傷治癒に悪影響を及ぼし、バイオフィルム産生を促進することも報告されている。DNaseはNETs分解作用を持つ薬剤であり、さらに直接バイオフィルム阻害作用を併せ持つ。 申請者はDNaseが慢性創傷に対しての治療薬として期待できると考えている。本研究では、慢性創傷における新規治療薬としてDNaseの創傷治癒効果を検証、さらにNETs制御が創傷治癒に寄与する効果、メカニズムについて詳細に解析し、臨床応用への足がかりとする。
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研究成果の概要 |
慢性創傷が慢性化する要因として、細菌のColonizationによるバイオフィルムの形成が言われている。バイオフィルムの形成には炎症を誘導する好中球および好中球が放出するNETsが関わっている可能性が示唆されている。本研究では、そのメカニズムおよびDNaseの有用性、さらなる新規治療へつながるかどうか解析した。難治性潰瘍モデルとして真菌細胞壁であるα-mannanを投与したマウスにDNaseを腹腔内投与することで創傷治癒を促進することが示された。急性創傷マウスでも同様の結果が得られたため、DNaseによるNETs阻害により、創傷治癒が促進することが示され、治療薬としての可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性創傷や難治性潰瘍に対する有効な治療選択肢が不足している現在、新たな治療薬を産出することは患者はもちろん、医療者や医療経済的負担の軽減にもつながる。本研究成果が、特に難治性潰瘍の創傷治癒を誘導する新たな治療薬の開発の一助となれば、外科手術やカテーテル治療、投薬治療に加えて新たな集学的治療の選択肢になると期待される。また、好中球NETsが創傷治癒を阻害することを支持する内容でもあり、創傷治癒に関する研究において、C型レクチン受容体を介した反応と、好中球NETsに関わる創傷治癒メカニズムの解明にもつながると考えている。
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