研究課題/領域番号 |
21K16929
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
浦田 悠輔 名古屋大学, 医学系研究科, 客員研究者 (90897357)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Notchシグナル / O-グルコース / XXYLT1 / 扁平上皮癌 / O-グルコース糖鎖 / キシロース |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんにおいても Notch シグナルの異常が、がんの発生や進展に極めて重要であることが次々と明らかとなっている。本研究では、NOTCH1 の不活性化により、その細胞増殖性が亢進する扁平上皮癌細胞株をモデルとして、ゲノム編集・遺伝子工学的手法を用いて、O-グルコース糖鎖のキシロース伸長のリモデリングを行い、糖鎖修飾の変化を超高感度質量分析計によって解析する。その後、キシロース伸長と NOTCH1 シグナルの活性化、そして扁平上皮癌細胞の悪性挙動との関連を明らかにする。
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研究実績の概要 |
1. XXYLT1 ノックアウト (KO) 細胞の作製:Notchシグナルを遮断する γセクレターゼ阻害薬により細胞増殖が変化した 扁平上皮癌細胞株の選別口腔扁平上皮癌細胞株, SAS 細胞、HSC3 細胞において、設計した gRNA、GFP を組み込んだ cas9 ベクターを SAS 細胞、HSC 細胞にトランスフェクションし、BD FACS Melody Cell Sorter を用い てシングルセルソーティングした。ソーティングした細胞を培養し、増殖させた後シークエンスを確認し、XXYLT1 をノックアウト (KO) した細胞を既報通り作製した [Urata et al. 2020 Cells]。 2.野生型、XXYLT1 KO 細胞における NOTCH1 活性化レベルの解析: Notch シグナルの活性化は、細胞を用いたレポーターアッセイにより評価している。現在米国ベイラー医科大学に共同研究のため赴任し、GXYLT1、GXYLT2、および XXYLT1 をノックアウト (KO) したマウスより作出した線維芽細胞( MEF cells)を用いて実験系を確立させている。Notchリガンドである Jag1 を発現する細胞をシグナル送信細胞として、また、Notch と Notchシグナル応答性のルシフェラーゼ遺伝子を発現する細胞をシグナル受信細胞として用いており、まだ繰り返し検討が必要だが、GXYLT1、XXYLT1 KO にて Notch シグナルの変化が確認されてきている。 3 XXYLT1 KO SAS細胞における糖鎖構造の解析:効率の良い Notch 細胞外ドメインの精製のため Notch1 強制発現の為のウイルスベクターを作成した。今後、Notch1 の精製を進め糖鎖構造を解析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
扁平上皮癌細胞において遺伝子導入の効率が先の研究で使用した HEK293T 細胞と比べはるかに落ちるため、質量分析を用いたOーグルコース糖鎖構造の解析や、O-グルコース糖鎖のキシロース伸長の Notch シグナルへの影響を調べるためのレポーターアッセイにおいて、質量分析のためのNotchタンパク質の精製や、レポーターアッセイのためのルシフェラーゼ遺伝子などの遺伝子導入効率に対する対策が必要であり、様々な試薬や、継代数など、条件検討を必要とし、その対策の一環として Notch 1強制発現ウイルスベクターを作製するなど研究の計画に変更が生じている。またフローサイトメトリーにより、Notch1 の細胞表面の発現や Notch リガンドとのバインディングを解析を進めているが、先の研究で用いた HEK293T 細胞と比べ、ディッシュへの接着が強く、また Notch1 細胞外ドメインにおける糖鎖構造に影響を与えないよう、トリプシンを用いずに細胞を回収する必要があるがその工程に関しても検討が必要であり、これらの要因により当初の計画よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
質量分析を用いた Oーグルコース糖鎖構造の解析のための分泌型 Notch1 細胞外ドメイン強制発現遺伝子や、O-グルコース糖鎖のキシロース伸長の Notch シグナルへの影響を調べるためのルシフェラーゼ遺伝子のより良い遺伝子導入が見込めるウイルスベクターを用い、質量分析に必要な Notch タンパク質を精製し、糖鎖構造の解析を進め、またルシフェラーゼアッセイによりシグナルへの影響の解析を進めていく予定である。また他の方法として、エレクトロポレーションによる遺伝子導入も必要があれば方法として検討する。またレポーターアッセイも繰り返し検討し、方法を確立させ研究を進め、その他リアルタイムPCRや Notch1細胞内ドメインを認識する、Val1744 抗体を用いウェスタンブロット等でも Notch シグナルのキシロース伸長における影響について検討を進めていく予定である。また XXYLT1KO SCC 細胞の糖鎖構造がある程度確認できた後に、XXYLT1 KO細胞の細胞増殖能などを進めていく予定である。
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