研究課題/領域番号 |
21K16941
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
土谷 麻衣子 帝京大学, 医学部, 助教 (60895027)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 細胞外小胞 / エクソソーム / 破骨細胞 / 悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌による顎骨浸潤は患者の予後を左右する重要な因子であるが、悪性腫瘍による骨吸収機構の詳細なメカニズムについては未だ不明な点が多い。 申請者は、口腔扁平上皮癌細胞由来エクソソームが既知の機構とは異なる新しい経路で破骨細胞誘導をもたらすことを報告した。本研究では、口腔扁平上皮癌細胞由来エクソソーム内の破骨細胞誘導因子を同定し、上記の機構の更なる解明を目的とする。 本研究の推進により、口腔癌の顎骨浸潤の機序解明や悪性腫瘍による骨吸収を特異的に抑制できる新規治療薬の開発への寄与が期待される。
|
研究実績の概要 |
口腔癌はしばしば予後不良であり、顎骨浸潤は重要な予後不良因子の一つである。顎骨浸潤を伴う進行口腔癌に対する治療には顎骨切除術が選択されるが、機能面および審美面においても患者のQOLを著しく低下させるため、顎骨浸潤の制御は重要な課題である。しかしながら、悪性腫瘍における骨吸収のメカニズムに関しては未だ不明な点が多い。申請者は以前、特定の口腔扁平上皮癌細胞株の培養上清内に含まれる細胞外小胞が、破骨細胞前駆細胞を標的として、破骨細胞分化を誘導することを報告している。本研究では、口腔扁平上皮癌細胞由来の破骨細胞誘導因子を同定し、口腔癌の顎骨浸潤の機序解明に結びつけることを目的とする。 2022年度は、申請者の所属機関異動に起因して、当初の予定とは異なる3種類の口腔扁平上皮癌細胞株やマウスマクロファージ細胞株を用いて in vitro での実験を行なってきた。使用機材や細胞株等に変更があったため、当初の計画よりも条件検討に時間を要した。既報告では、口腔扁平上皮癌細胞由来の細胞外小胞の分泌を阻害したところ破骨細胞分化誘導が抑制されたが、完全な抑制は認められなかったため、細胞外小胞以外の培養上清内の物質が誘導因子である可能性を踏まえ、細胞外小胞内包物に対するアレイ解析だけでなく、培養上清に対するプロテオーム解析も並行して行っていく。現在、口腔扁平上皮癌細胞由来の培養上清および細胞外小胞を回収し、候補因子を検索中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関の異動に伴う研究環境の変化により、使用する機材や細胞株の種類等に様々な変更があった。研究体制の立て直しや条件検討に時間を要しているため、当初の予定より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
破骨細胞分化を誘導する口腔扁平上皮癌細胞株の培養上清のプロテオーム解析、口腔扁平上皮癌細胞由来の細胞外小胞におけるアレイ解析を行い、破骨細胞分化誘導因子の同定を行なっていく。
|