研究課題/領域番号 |
21K16946
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
伊東 有希 (信田有希) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80771162)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | lectin / carbohydrate-binding / oral biofilm / レクチン / αアミラーゼ / バイオフィルム / 天然由来レクチン / 唾液アミラーゼ / 糖結合性 / アミラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
自身での口腔清掃が困難な要介護高齢者の口腔内には多量のバイオフィルムが蓄積されるため,誤嚥性肺炎等の全身疾患のリスクが増大する。そこで,医療従事者による口腔衛生管理が必要だが,その時間と労力には限界があり,負担軽減を実現するための口腔バイオフィルム感染症対策が急務である。 歯面ペリクル上に存在する糖鎖であるGalβ1-3GalNAcの認識レクチンは口腔細菌の歯面への初期付着を抑制するが,本研究では,口腔バイオフィルムの増悪因子である唾液アミラーゼの糖鎖結合とコード遺伝子多型に着目し,レクチンによる唾液アミラーゼへの有効性を検討することで,増悪抑制の観点からも口腔バイオフイルム対策を講じる。
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研究成果の概要 |
レクチンは糖結合性タンパクの総称で,様々な生理活性作用をもつ。その中でもGalβ1-3GalNAc認識レクチンは口腔バイオフィルム形成を阻害することが明らかとなっている。本研究では,唾液アミラーゼを介したバイオフィルム形成における,天然由来レクチンの影響を検討し,Agaricus bisporus lectin (ABA)とConcanavalinAに唾液アミラーゼとの結合があることがわかった。また,唾液アミラーゼ存在下ではStreptococcus mutansのバイオフィルム形成量は増える傾向にあったが,ABAの有無で唾液アミラーゼ存在下でのバイオフィルム形成量に差はなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔清掃の不十分な要介護高齢者など,衛生状態が悪化した口腔内にはバイオフィルムが蓄積し,全身疾患のリスクが増大する。そこで,医療従事者による口腔衛生管理が必要だが,人的・時間的問題からその徹底は困難なため,その負担軽減のための対策が急務である。 海藻レクチンやマッシュルームレクチンなどの天然由来レクチンは口腔バイオフィルム形成を抑制する傾向があり,この社会的問題を解決する糸口になる可能性がある。唾液アミラーゼは消化酵素の一つだが,その一方で細菌に結合することで齲蝕発生の増悪因子となることが知られている。唾液アミラーゼというバイオフィルム発生の足場を制御することで,より効率的な齲蝕抑制を目指す。
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