研究課題/領域番号 |
21K16956
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
近藤 智豊 (平賀智豊) 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (60733590)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 唾液 / リキッドバイオプシー / 口腔がん / エクソソーム / 液性診断 / 口腔扁平上皮癌 |
研究開始時の研究の概要 |
エクソソームに代表される細胞外分泌小胞(Extracellular vesicle, EV)はあらゆる細胞から分泌されており、その大きさ、放出機構は多様性に富んでいる。現在、癌の微小環境形成、薬剤耐性獲得、免疫療法の制御などの分子機構を語る上でEVは欠くことできない因子となっており、分泌された親細胞に由来する分子を含むため、液性診断(リキッドバイオプシー )のソースとしても注目されている。本研究では採取の侵襲性が低い唾液に注目し、口腔扁平上皮癌患者(OSCC)の唾液に含まれるEV全体の情報を整理し、EVの大きさ情報も加味した、低侵襲で操作の簡便な新しいOSCC予後診断システムの確立につなげる。
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研究実績の概要 |
エクソソームに代表される細胞外分泌小胞(Extracellular vesicle, EV)はあらゆる細胞から分泌されており、その大きさ、放出機構は多様性に富んでいる。 現 在、癌の微小環境形成、薬剤耐性獲得、免疫療法の制御などの分子機構を語る上でEVは欠くことできない因子となっている。このような潮流の中、EVを活用し た、新しい癌の診断法、治療法の確立が期待されている。これまでに、健常者の唾液が含む「小さなEV(≒エクソソーム)」と「大きなEV」を分けて解析すること から、大きなEVは小さなEVとは異なる分子群が運ばれていることを見出してきた。 本研究ではこの知見を発展させ、口腔扁平上皮癌患者(OSCC)の唾液に含まれ る、予後に関連したマーカー分子がどのEV分画に含まれているかを整理し、EVの大き さ情報も加味した、低侵襲で操作の簡便な新しいOSCC予後診断システムの 確立につなげる。 昨年度は、唾液を「大きなEV」「小さなEV」「さらに小さな可溶性分子」を含む3つの分画に差分遠心法で分け、それぞれのEV分画に対して マーカー解析を行った。これら3分画にOSCCとの関連が報告されているEGFRが、各分画で特異的なパターンで濃縮していることを確認した。今年度はOSCC切除検体 でのEGFR発現を免疫 組織学的に評価を中心に実施した。その結果、唾液3分画において様々なEGFR発現パターンがあるのと同様に、組織でのEGFR発現パターンも異なることがわかった。また、一部の予後不良症例では細胞内に顆粒状にEGFRが発現しており、 EGFR陽性細胞外小胞を含んでいる可能性が示唆された。 来年度は、EGFR陽性EVの生化学的、分子生物学的特徴をさらに調査し、OSCCの進行とどのように関連するかを明らかとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OSCC切除検体と唾液含有EVsでのEGFR発現を比較解析するに際し、ペアでのサンプリングが困難なケースが生じた。また、頸部リンパ節転移を伴う症例では唾液、組織ともにEGFR発現分布が異なることが示唆されたため、EGFR陽性EVの生化学的、分子生物学的特徴の調査を計画した。しかしながら、プロテオーム解析およびシークエンス解析の業務委託を行うにあたり、予算より高額であるため解析方法の見直しを要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、切除検体と唾液の両サンプル数を増やし調査を進めていく。また、唾液由来細胞外小胞でのEGFR発現分布については早期癌へ対象を拡大し解析を行う。また、EGFR陽性EVを 単離し、in vitro実験を通してがんの浸潤・転移のメカニズムでの機能役割について調査を行う。 臨床実装できる診断法を確立するために、超遠心ではなく フィルターを用いたEV分画法と、上記マーカー解析を組み合わせる事で、操作の迅速化・簡便化を図 る。
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