研究課題/領域番号 |
21K16968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
芥川 桂一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (40826369)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 歯周炎 / 糖尿病 / う蝕 / 脳出血 / 口腔細菌 / dysbiosis / Porphyromonas gingival / セグメント細菌 / フコース / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年着目されている歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis(Pg)感染が糖尿病(DM)の病態憎悪に影響するメカニズムを、腸管の免疫応答に着目して解析する。 Pg感染が腸管上皮細胞および常在リンパ球系に与える影響と、その結果引き起こされるdysbiosisが糖尿病に影響を与えるのではないかと考え、Pg-DMマウスを使用してPgのセグメント細菌と Th17細胞および腸管のdysbiosisを介すると考えられる常在自然リンパ球系への影響を評価する事で、Pg口腔感染が糖尿病の病態に与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本課題では、歯周病原細菌P. gingivalisの感染、う蝕原因菌S. mutans歯髄感染に着目し、腸内細菌叢の破綻から糖尿病増悪への影響と血行性感染から脳出血への影響について動物実験モデルを用いたメカニズム解明を行った。P. gingivalis感染糖尿病マウスでは、糖尿病マウスと比較して、パイエル板の肥厚と、腸内細菌叢の変化が認められた。また、S. mutans感染ラットモデルでは、細胞外基質typeI、typeIVコラーゲンを介した血管内皮細胞へ細菌が強固に付着することで脳出血部位の拡大が認められた。これらのメカニズム解明が、口腔内治療の重要性や新規治療法開発につながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果から、歯周病やう蝕と行った口腔感染症が足がかりとなり、歯周組織から血行性に、または消化管を通して腸内細菌叢へ影響を与えることが明らかとなった。これら局所の変化が全身へ波及(全身疾患の発症、増悪)することも示唆されたことから、今後歯科受診、歯科治療の重要性を国民に周知するための根拠となる結果である。
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