研究課題/領域番号 |
21K16974
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
吉田 航 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30875703)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周組織再生療法 / ヒト胎盤由来羊膜・絨毛膜 / 成長因子 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周組織再生には様々な成長因子が異なるメカニズムで効果を発揮している。ヒト胎盤由来羊膜・絨毛膜(PAC膜)にはFGF-2,EGF,TGFαなどの因子を豊富に含んでおり,PAC膜が歯周組織再生を促進することが示唆されている。PAC膜はアメリカのFDAの認可を受けており,歯周組織再生材料としてdHACMがすでに臨床応用されている。しかし,dHACMの使用が歯周組織治癒に及ぼす影響についての詳細なメカニズムは明らかになっていない。そこで本研究では,dHACMが歯周組織治癒に及ぼす影響をin vivo実験で検証し,in vitroではその詳細なメカニズムを明らかにする事を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は,外科的に作製したラットの歯周組織欠損に様々な成長因子を含むヒト胎盤由来羊膜・絨毛膜(HACM)の局所応用による歯周組織治癒の効果を検討した。 術後4週の評価では,HACM応用群はUnfilled群と比較し新生骨様構造が多く認められ,薄い新生セメント質様構造も認められた。さらに,HACM抽出液中にはVEGFおよびFGF-2が含まれている事をELISAにて確認した。ラット歯根膜由来細胞にHACM抽出液を滴下し評価したところ細胞増殖能および遊走能が促進された。以上より,HACMの含有成分が歯根膜由来細胞の増殖および遊走を促すことで,歯周組織治癒を促進させることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,外科的に作製した歯周炎モデルに成長因子を含むHACMを応用して歯周組織治癒に及ぼす影響を比較・検討した。HACMには多数の成長因子が含まれており,現在までに歯科領域では歯周組織再生療法に応用された報告がいくつか存在する。しかし,HACMから徐放される成長因子が治癒にどのような影響を及ぼすのか不明な点が多いため,本研究で明らかにするという着想に至った。今回の結果では,HACMの含有成分が歯根膜由来細胞の増殖および遊走を促すことで,歯周組織治癒を促進させることが示唆された。本研究の推進により,新たな歯周組織再生療法の開発基盤を構築することで新たな治療戦略の足掛かりになると思われる。
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