研究課題/領域番号 |
21K16978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
尾崎 愛美 日本大学, 歯学部, 助教 (10867930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 加熱式タバコ / プロピレングリコール / エアロゾル / 歯周病 / 骨形成機能 / グリセリン / 骨芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
加熱式タバコは, 従来のタバコに比べて有害成分量が大幅に減少すると宣伝されており, 我が国では使用者が急速に増加している。従来のタバコは歯周病のリスクファクターの一つであり, 喫煙者は非喫煙者に比べて 2-8 倍歯周病になりやすいことが報告されているが, 加熱式タバコが歯周病にどのような影響を及ぼすか細胞・分子生物学的に明確な影響を示した報告はほとんどない。そこで, 申請者は骨芽細胞をリポ多糖の存在下で培養し, 歯周病を想定した状態下で加熱式タバコに多く含まれるプロピレングリコールや加熱式タバコから生じたエアロゾルで刺激した際の炎症および骨形成機能に及ぼす影響について検討する。
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研究実績の概要 |
喫煙が身体に悪影響を及ぼすことは周知の事実である。また、喫煙と歯周病は密接に関係しており、喫煙者は非喫煙者と比べて2-8倍歯周病に罹患しやすく、歯周治療による反応性も低いことがわかっている。現在、様々な種類のタバコ商品が扱われているが、近年急速に普及している商品として加熱式タバコがある。 加熱式タバコは、従来の紙巻きタバコと比較し、有害物質が減少すると謳われているが、紙巻きタバコより多く含まれる成分が存在し、その化学反応によってもたらされる影響、特に歯周病にどのような影響を及ぼすか細胞・分子生物学的に明確に示した報告はほとんどない。 そこで、昨年度は加熱式タバコに多く含まれる成分であるプロピレングリコールやグリセリンについて、それらが骨芽細胞に及ぼす影響について検討した。その結果、プロピレングリコールやグリセリンは細胞を傷害し、炎症を惹起する可能性が示唆された。 次いで、今年度は実際の加熱式タバコを吸っている状況を再現するために、タバコ煙抽出液を使用し、骨芽細胞への影響を検討した。 本研究では、マウス頭蓋冠由来株化骨芽細胞であるMC3T3-E1細胞を使用し、タバコ煙抽出液を低濃度または高濃度加えた培地、ならびにこれらを加えていない培地(コントロール)で培養した。細胞数はcell-counting kit-8で調べ、遺伝子発現はreal-time PCR法で骨形成機能について調べた。その結果、細胞数はコントロールと比較し、タバコ煙抽出液添加で濃度依存的に有意に減少した。遺伝子発現は、骨シアロタンパクとオステオカルシンでコントロールと比較し、タバコ煙抽出液添加で有意な減少を認めた。 以上の結果より、加熱式タバコは細胞を傷害するとともに、骨芽細胞の骨形成を抑制することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
均一したタバコ煙抽出液を作成する方法や条件の設定に時間を要した。 さらに、タバコ煙抽出液を高濃度添加すると細胞が著しく傷害されることや、RNA量の回収量が乏しく、遺伝子発現を調べることができなかった。 以上のことから、タバコ煙抽出条件および培養条件の設定に時間を要したため、進捗状況がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今回、日本で最も普及している加熱式タバコ商品のタバコ煙抽出液の短期使用で骨芽細胞にどのような影響を与えるか明らかにした。そのため、今後はタバコ煙抽出液の長期作用による骨芽細胞の影響について同様の検討を行う。 また、加熱式タバコは商品により加熱温度や成分量が異なっているため、他の商品のタバコ煙抽出液についても同様に研究を行う。 さらに、その後はタンパク発現や石灰化への影響について検討を行う予定である。
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