研究課題/領域番号 |
21K16998
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
森川 哲郎 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90845463)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 血液脳関門 / Porphyromonas gingivalis |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病によって引き起こされるアルツハイマー病の解明に向けた血液脳関門の研究は進められてきており,歯周病原菌由来内毒素が脳内に侵入していると考えられる.しかし,脳内に内毒素が到達するためにはBBBを通過していかなければならない.その要因の1つとして,慢性的な刺激によって引き起こされるBBB構成細胞のエピジェネティクス変化があるものと考えた.しかし,BBB機能低下解明のためにエピジェネティクス変化に注目した報告はない.LPSがBBBへ与える影響を解明し,エピジェネティクス修飾をターゲットとした,新たなアルツハイマー型認知症の予防的治療の確立への足掛かりとなることを目標に,本研究の発想に至った.
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病と歯周病との関連が徐々に示されており、ヒトやマウスでは脳内へ歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalisの侵入が確認されている。我々は、老化促進マウスを用いて行った実験でPorphyromonas gingivalisの内毒素をマウスに投与することでアミロイドβ分解酵素であるネプリライシンの発現を低下させることがわかった。このことから歯周病によってアルツハイマー病の原因物質と考えられているアミロイドβの沈着を増加させる可能性があることが示唆された。 全身的な感染症においても、細菌や、細菌由来物質が脳に達することが知られているが、その際には、血液脳関門(BBB)を通過する必要がある。最近、歯周病原菌または病原菌由来物質も、BBBの機能低下を導き、アルツハイマー病の原因となることも知られてきているが、そのメカニズムは不明である。我々の研究においても歯周病原菌の内毒素が脳に影響を与えることはわかったが、そのメカニズムについては不明な点が多い。そこで、Porphyromonas gingivalisの内毒素をヒト脳血管内皮細胞に添加し細胞の接着に関わる遺伝子の発現について確認した。現時点では、一部の細胞接着遺伝子ではPorphyromonas gingivalisの内毒素を添加することで発現が低下することが確認された。 今後は、現在用いているヒト脳血管内皮細胞の他に、BBBを構成する細胞であるアストロサイト、ペリサイトを用いて歯周病原菌によるBBBへの影響について網羅的な遺伝子発現解析を行なっていく予定である。特にエピジェネティクス変化がBBB機能低下にも関与していると仮定し研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
細胞実験において,当初予想していたような遺伝子発現やBBB機能低下が認められなかったため,条件を模索しているためため進捗状況が遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
細胞実験を行なっているが当初は,歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalis由来の内毒素を用いて行なっていたが,思うような変化が得られなかったことから,今後はPorphyromonas gingivalisを直接添加し細胞培養を行う予定である.そのため,現在は細菌培養を行なっている.
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