研究課題/領域番号 |
21K17002
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
清水 智子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (80782854)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / IL-1 / TNF-α / IL-17 / ACE2 / TMPRSS2 / FURIN / NRP1 / Furin / 歯肉上皮細胞 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、ウイルスのレセプターとしてangiotensin converting enzyme2(ACE2)、さらにウイルス侵入にⅡ型膜貫通型セリンプロテアーゼ(TMPRSS2)やFurinなどのプロテアーゼが注目されており、その局在について歯肉粘膜の免疫組織化学的検索を行ったところ、外縁上皮より内縁上皮での発現が強く、内縁上皮は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染リスクの高いフォーカスであることを報告した。そこで本申請では、歯周ポケット上皮におけるSARS-CoV-2感染に必須分子の発現動態について分子生物学的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究はSARS-CoV-2の感染において歯周病がリスク因子となるかを分子生物学的探索により明らかにしようとするものである。 COVID-19では様々なサイトカインが病態の進展に関与しており、歯周炎の病態とCOVID-19で共通するサイトカインが認められる。そこで、ヒト歯肉上皮培養細胞を用いてサイトカインを添加することでSARS-CoV-2感染関連因子が変動するか検討した。 サイトカイン添加によりヒト歯肉上皮培養細胞は、ACE2およびTMPRSS2で明らかな増加が認められた。感染局所でのサイトカインの産生増加による環境変化が上皮細胞の感染リスクを増加させ重症化に関与するかもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サイトカイン添加によりヒト歯肉上皮培養細胞は、ACE2およびTMPRSS2で明らかな増加が認められた。過去の疫学報告おいてCOVID-19の重症化に歯周炎がリスク因子であることが示されているので、感染局所でのサイトカインの産生増加による環境変化が上皮細胞の感染リスクを増加させ重症化に関与する可能性が示唆されるという学術的意義を認める。さらに歯周病の予防はCOVID-19の病態制御に貢献する可能性を示しており、歯科医療における新たな社会的意義を認める研究成果であると考えられる。
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