研究課題/領域番号 |
21K17007
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 成蹊大学 (2022) 東京医科歯科大学 (2021) |
研究代表者 |
蘆田 茉希 成蹊大学, 理工学部, 助教 (50708386)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 生体材料 / チタン合金 / 高圧すべり加工 / 結晶粒微細化 / 歯科インプラント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、歯科ナローインプラントへの応用を目指し高圧すべり(HPS)加工を用いてチタン(Ti)合金の延性を維持したままの高強度化することを目的とする。研究期間内に、HPS加工条件の最適化、棒状の合金での高強度化、HPS加工後の耐食性および安全性評価を実施する。加工後の結晶組織、機械的性質の評価を行い、その関係を解明するとともに加工後の安全性について確認する。またこの成果は、インプラントの、narrow化の問題を超えて、小型化促進に大きく資する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ナロー歯科インプラントへの応用を目指し、ナロー歯科インプラント作製可能な実用形状のチタン合金に高圧すべり(HPS)加工を適用し、伸びを維持したままの高強度化を行うことである。本研究では、ナロー歯科インプラントへの応用に焦点を当て、より大きい寸法のチタン合金(Ti-6Al-7Nb合金)にHPS加工を施し、高強度化を目指す。研究内容はHPS加工条件の最適化、棒状の合金での高強度化、HPS加工後の耐食性および安全性評価の3つによって構成されるが、今年度は棒状のTi-6Al-7Nb合金での高強度化を目指した。棒状での加工が可能な加工条件の探索およびHPS加工が組織と機械的特性に及ぼす影響を調べ、棒状試料においても機械的性質の向上が可能かどうかを調べることを目的とした。 Ti-6Al-7Nb合金棒材に初めてHPS加工を施し、加工に成功した。XRD測定では、加工前後で構成する相に変化はなかったが、加工後にはピークの広がりが確認され、半値幅が増加したことから、HPS加工によってTi-6Al-7Nb合金の結晶粒が微細化されたことが示唆された。また、TEM観察より、HPS加工により結晶粒が超微細化されたことが確認できた。しかし、試料全体で微細化はされておらず、比較的粗大な粒も存在しており、不均一な組織であることがわかった。機械的性質については、HPS加工によりビッカース硬さは増加した。HPS加工により引張強さは増加し、棒状試料においても高強度化が可能であることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ti-6Al-7Nb合金の棒状試料においてもHPS加工に成功した。また、棒状試料へのHPS加工によっても、Ti-6Al-7Nb合金の結晶粒超微細化が可能であり、それによってあまり伸びを減少させずに高強度化が可能であることが明らかになった。これまでに、薄い板材のTi-6Al-7Nb合金棒状試料のTi-6Al-7Nb合金にHPS加工を施すことによって、板材と同等に結晶粒超微細化が可能であることが示された。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も棒状試料のTi-6Al-7Nb合金のHPS加工の加工条件の検討を進める。 Ti-6Al-7Nb合金の棒材において、断面積が大きくなったことから、ビッカース硬さの分布から一方向加工では試料全体にひずみが均一に導入されていないことが明らかになった。そのため、今後は往復加工を検討する。棒状試料への往復加工によって試料全体へひずみが導入されるかを確認するため、往復HPS加工後に硬さ試験を行い、試料全体で硬さの向上があるか分布を調べる。引張試験も方向を変えて行う。また、組織観察を行い、組織形態や結晶粒径を測定する。
|