研究課題/領域番号 |
21K17008
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐世 暁 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50849445)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 進行性下顎頭吸収 / PCR / 有限要素解析 / 機械学習 / 吸収性下顎頭吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
進行性下顎頭吸収(PCR:Progressive Condylar Resorption)は、下顎頭の著明な吸収像を特徴とする病態をさし、下顎後退症発症への関与や下顎骨前方移動の後戻りの主たる原因として注目されている。顎矯正手術後の下顎頭にかかる負荷の量と負荷に対する骨の許容力が関与していると考えられており、これを事前に防ぐためには術前の力学的なシミュレーションが必要不可欠であるが、既存のシステムは十分に機能しているとはいえない。本研究は術後想定3次元モデルで有限要素法を用いて力学的に解析し、機械学習理論を応用しPCRのリスク評価システムを構築することを目的とする。
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研究実績の概要 |
顎変形症の治療においてCTやMR画像をもとにした3次元シミュレーションの臨床応用が進んでいる。そのデータを新たに直面する症例の診断に利用することは臨床的有用性が高いが、現在のところ診断および治療方針の決定や特定の疾患予防策の立案に有用なフィードバックに帰結するには至っていない。本研究は術後想定3次元モデルで有限要素法を用いて力学的に解析し、機械学習理論を応用しPCRのリスク評価システムを構築することを目的とする。 本年度は、昨年に引き続きモデルの構築および解析を行った。CTデータから実際の本解析用モデルの構築は時間的負担が大きい作業であり、当初の予定よりも時間がかかったが、より精度の高い解析を行うためには必須であったと考えられた。また本解析の拘束条件は下顎頭上面を完全拘束とし、骨とスクリュー間の摩擦係数を1<μとし固定を仮定した。今後は関節円板に配慮した条件および生体等価性の高い条件の検討を進める予定である。 本解析では生体等価性試験で採用された荷重を筋の付着部位や術後に咬合接触がある代表点に荷重し、必要な咀嚼筋の作用をシミュレートした荷重条件の設定を同時に進めている。咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋の各筋の比率を調整して、解析モデルの生体等価性の条件を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例の選定、解析モデルの構築をしたが、本解析に時間を要している。過去の報告を検討し早期の解析系の確立を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
基本的な実験計画に変更はない。今後は当初の研究計画に従って、構築したモデルを用いて本解析を実施し、顎骨内応力分布の傾向について検討する予定であ る。解析結果から形態的あるいは力学的特徴を算出し、それを構築システムのパラメータとして使用できないか検討する。
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