研究課題/領域番号 |
21K17019
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高 昇将 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00846082)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 炭化ケイ素繊維 / 短繊維 / 長繊維 / 繊維強化型レジン / CIELab / 色調評価 / 歯科用高分子材料 / 高分子複合材料 / 加速劣化試験 / SiC繊維 / 力学的等方性 / 歯科理工 / 補綴歯科 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦では、歯科の保険診療において金銀パラジウム合金が歯冠修復用材料として広く用いられている。しかしながら、近年、含有される金やパラジウムの急激な価格高騰に伴い、社会保障費用を圧迫している。さらに、金属アレルギーのアレルゲンとなりうる点も問題である。 上記の問題を解決するため、メタルフリー治療が促進されており、その一環としてガラス繊維強化型レジン(GFRP)を用いた欠損補綴治療が保険収載された。しかしながら、GFRPの機械的強度の不足から、その適用範囲は少数歯欠損の場合に限定されている。 そこで、この問題を解決するために、GFRPに代わる、新規炭化ケイ素繊維強化型レジンを開発する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は高分子複合材料を修復物の材料として用いる欠損補綴治療の適応範囲拡大のため、ガラス繊維より機械的強度に優れる炭化ケイ素繊維を用いた新規高分子複合材料(SiCFRP)の開発である。 本研究を通して、1)長繊維は引張側、短繊維は圧縮側に配置するとSiCFRPの機械的強度を保ちつつ力学的等方性を付与できる可能性があること、2)SiCFRPは臨床応用に耐えうる長期耐久性を持つこと、3)現在歯科治療で金属の色を遮蔽するために用いられているオペークレジンにより、SiCFRPの黒色は遮蔽可能であること、を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で試作した炭化ケイ素(SiC)の長繊維と短繊維を歯科用高分子材料と複合化したSiC繊維強化型レジンは、ガラス繊維強化型レジンよりも少ない繊維含有率で同程度の3点曲げ強さを示し、さらに、沸騰水中で優れた長期耐久性を示した。 また、現在歯科治療に用いられている前装金属冠を製作する場合と同程度のオペークレジンの厚みで、SiC繊維強化型レジンの色が遮蔽可能であった。 以上より、本研究で試作したSiC繊維強化型レジンは、ガラス繊維強化型レジンの代替として、繊維強化型レジンを修復物の材料に用いた欠損補綴治療の適応範囲の拡大に寄与することが示唆された。
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