研究課題/領域番号 |
21K17049
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
北村 啓 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90792367)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 摂食嚥下 / 機能解剖学 / 舌筋 / 粘膜下組織 / 腱 / 靱帯 / 舌骨 / 嚥下 / 喉頭蓋 |
研究開始時の研究の概要 |
喉頭蓋の運動機能低下は一連の嚥下動作に不調和を生じさせ、誤嚥のリスクを高めるため、周囲組織と連動した喉頭蓋の機能的な構造解析が病態解明のために急務である。申請者は献体を対象とした研究から、正中舌喉頭蓋ヒダの粘膜下に存在する太い腱が舌深部を縦走する舌筋と喉頭蓋軟骨をつないでいることを発見した。さらに、この舌筋-腱-喉頭蓋軟骨という複合体は①安静時の喉頭蓋前方牽引機能 ②喉頭蓋の後屈補助を行う運動器であると仮説を立てた。そこで、本申請課題の目的は正中舌喉頭蓋ヒダの粘膜下に存在する舌筋-腱-喉頭蓋軟骨の構造特性を明らかにし、それに裏付けされた舌喉頭蓋ヒダの機能を解明することである。
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研究実績の概要 |
近年の超高齢化に伴い、加齢による身体機能の低下が誤嚥を惹起する原因として大きな問題となっている。中でも、喉頭蓋の運動機能低下は一連の嚥下動作に不調和を生じさせ、誤嚥のリスクを高めるため、周囲組織と連動した喉頭蓋の機能的な構造解析が病態解明のために急務である。申請者は献体を対象とした研究から、正中舌喉頭蓋ヒダの粘膜下に存在する太い腱が舌深部を縦走する舌筋と喉頭蓋軟骨をつないでいることを発見した。さらに、この舌筋-腱-喉頭蓋軟骨という複合体は①安静時の喉頭蓋前方牽引機能 ②嚥下反射時の喉頭蓋の後屈補助を行う機能的な運動器であると仮説を立てた。そこで、本申請課題の目的は、正中舌喉頭蓋ヒダの粘膜下に存在する舌筋-腱-喉頭蓋軟骨の構造特性を明らかにし、それに裏付けされた舌喉頭蓋ヒダの機能を解明することである。本年度は過去に採取した献体を用いて肉眼解剖・組織学的な解析を進めた。その結果、オトガイ舌筋とオトガイ舌骨筋の間に線維組織の乏しい結合組織が介在することが明らかとなった。この筋膜間結合組織は『オトガイ舌筋が弛緩して喉頭蓋をフリーにさせ、オトガイ舌骨筋が収縮して舌骨を引き上げる。』という申請者の嚥下メカニズムを支持する構造である。さらに、健常者における嚥下時のオトガイ舌筋―オトガイ舌骨筋の反対運動も超音波エコー像で確認できた。そのため今後は、①オトガイ舌筋―オトガイ舌骨筋の運動量を健常者と誤嚥患者群で比較する。②献体におけるオトガイ舌筋―オトガイ舌骨筋の筋膜間結合組織の線維化について検索を行う。また、マウスにおけるオトガイ舌筋喉頭蓋腱の形成過程についても実験を続けており、現在は腱が喉頭蓋軟骨とオトガイ舌筋のどちらに由来するのかを検索している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度、新規に搬入されたマイクロCTの使用法について不明点があり、解決できなかったため超音波エコーを使用した実験に変更した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は①オトガイ舌筋―オトガイ舌骨筋の運動量を健常者と誤嚥患者群で比較する。②献体におけるオトガイ舌筋―オトガイ舌骨筋の筋膜間結合組織の線維化について検索を行う。①、②よりオトガイ舌筋とオトガイ舌骨筋間の結合組織の線維化が両筋の運動量を制限し、誤嚥を惹起するという形態学的な根拠を打ち立てる。 ③胎生期におけるオトガイ舌筋喉頭蓋腱の形成過程の観察も継続させており、腱が軟骨と筋どちらに由来するのかを検索している。
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