研究課題/領域番号 |
21K17058
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
加嶋 祐佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 日本学術振興会特別研究員 (70778977)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 積層造形法 / インクジェットプリンター / インクジェット式3Dプリンター / 積層造形 / インクジェット3Dプリンター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、歯科補綴装置製作にマルチマテリアル造形を導入し、物性の段階的調整を行い、基本的物性の評価から臨床に則した形態での精度検証まで網羅した研究を行う計画である。これにより、以下の点を明らかにする。 ・義歯の具備すべき条件を満たし患者個々の口腔内環境に適した物性への調整が可能なマテリアルを選択し、マルチマテリアル造形で再現可能な物性の範囲を明らかにする ・高精度で物性の段階的調整を可能とする最適パラメーターを解明する ・義歯の人工歯部と義歯床部の境界部において、接着強度と審美性を兼ね備えた設計原則の確立を試みる
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研究実績の概要 |
インクジェット3Dプリンターによるマルチマテリアル積層造形技術を総義歯製作に応用し、複数材料の同時造形や物性の段階的調整に適したパラメーター条件を解明するとともに、デジタル技術を基盤とした顎義歯製作の新たなワークフローを創出し、顎義歯製作過程の簡便化および高精度・高機能化を目指し、本年度はマルチマテリアル造形に用いる粉末材料の吸水性や異種材料間の破断強度の評価を行った。粉末材料には、生体親和性があり、口腔内での安全性が確認されている粉末を数種類配合し、歯肉部や歯冠部に合わせて色調や硬度を変化させた。歯肉部と歯冠部の異種材料間の破断強度は、サーマルサイクル前は既存手法と比較して有意に低かったものの、サーマルサイクル後では、既存手法と比較して有意に高くなった。そのため、既存手法と比較してサーマルサイクル後も性質の低下が起きにくいことが分かった。しかしながら吸水性は既存手法と比較して有意に劣ることが分かり、課題点が見つかった。また、曲げ試験の結果も、既存手法と比較して強度が低く、マルチマテリアル造形に用いる粉末を歯科の需要に特化された改良が必要であることを認識した。そこで、日本では未承認・未販売であるもののアメリカで歯科補綴装置製作用に承認を受けた新規粉末材料TruDentに着目した。本年度は人工歯部と歯肉部を2つに分割したSTLファイルを製作し、実際の全部総義歯を製作することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はアメリカ国内のみ承認を受けた新規粉末材料を使用するため、Stratasys社との交渉が進み、既存の粉末材料の欠点を補える可能性が大きく進展した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、新規粉末材料TrueDentを用いコピーデンチャーを製作し、造形真度や適合精度の評価をしていく予定である。また、吸水性や異種材料間の接着強度等基礎的物性の評価も行う予定である。
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