研究課題/領域番号 |
21K17060
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉原 翠 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70882330)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 嚥下 / 摂食嚥下障害 / 胃食道逆流 / TRPV1 / 生理学 / ラット / 胃食道逆流症 / 口腔生理学 / 誤嚥性肺炎 |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎は高齢者の主たる死亡原因であり,中でも,摂食嚥下障害を伴う食物や唾液などの分泌物の誤嚥による誤嚥性肺炎の発症数は加齢とともに増加すると報告されている. 高齢者に多い疾患の中には,消化管機能の低下によって引き起こされる胃食道逆流症(GERD)があり,咽頭内への逆流物を原因とする誤嚥性肺炎発症のリスクが高いとされるが,その機序は未だ明らかにされていない. 本研究は咽喉頭への酸の長期的酸曝露が嚥下・咀嚼動態に与える影響,メントール投与がもたらす効果について,神経生理学・薬理学的手法を用いて検証することを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究は咽喉頭の長期的酸暴露に伴う嚥下誘発変調の機序を解明することを目的とした. 胃酸の主成分である塩酸は温度感受性イオンチャネルTRPV1を活性化するが,TRPV1はサブスタンスP(SP)の放出を誘導し,NK1受容体の活性化をもたらすことで血管透過性を亢進して浮腫の誘発に関連することが報告されている.前年度はNK1ブロッカー投与によりTRPV1誘発性の咽喉頭浮腫形成が抑制されると仮説を立てたが,同様の現象は確認できなかった.令和4年度は実験手法の妥当性について検証すべく,過去の報告を参考に下肢浮腫モデル動物を作成した. 実験には7週齢のSD系雄性ラットを用いた.浮腫について評価するため,NK1ブロッカーを前投与後,浮腫誘発物質マスタードオイル(MO)を下肢に塗布し,エバンスブルー(EB)の溶出量を対象群と比較した. 下肢EB溶出量はMO塗布により増加,NK1ブロッカー前投与により減少し,NK1ブロッカーによる浮腫抑制効果が示された.続いて,咽喉頭の持続酸刺激に伴って生じる浮腫と機械刺激誘発嚥下の変調との関連について検証を行った.NK1ブロッカーを前投与後,咽喉頭に60分間のカプサイシン持続刺激およびそれに続くエアフロー機械刺激を行い,誘発嚥下回数および咽喉頭EB溶出量を対象群と比較した.前年度はTRPV1刺激後にEBを投与していたが,刺激前に投与するよう変更した.喉頭EB溶出量は両群共に前年度よりも増加し,NK1ブロッカー投与により減少した. よって,EB投与手順の変更により血管透過性について高い感度で評価できた.一方で機械刺激誘発嚥下はNK1ブロッカーの影響を受けなかったが,NK1ブロッカー単独では十分に喉頭浮腫を抑制できない可能性があると考える.血管透過性亢進因子はSP以外にもCGRP等が存在し,その感受性には組織特異性があることが知られる.今後は他の物質についても検証する.
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