研究課題/領域番号 |
21K17065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
村上 明日香 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (80885426)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アルツハイマーモデルマウス / アミロイドβ / 咬合支持 / APPノックインマウス / Aβ / アルツハイマー型認知症 / アミロイドβ斑 / 咬合支持の欠如 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
抜歯によって咬合支持が喪失した実験動物では海馬神経細胞が減少して認知機能が低下することが報告されている。認知機能が低下するアルツハイマー型認知症(AD)ではアミロイドβ(Aβ)沈着によるアミロイド班の形成が初期病変であると考えられている。しかし,抜歯した動物において海馬におけるAβタンパク質濃度の変化やアミロイド斑の形成について統一した見解は得られていない。本研究ではAD患者と近似した病態を示すAPPノックインマウスを用いて,抜歯による咬合支持の喪失とADの初期病変との関連性について解明する。
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研究実績の概要 |
アミロイドβ(Aβ)沈着によるアミロイド班の形成・沈着がアルツハイマー型認知症(AD)の初期病変であると考えられている。動物実験では咬合支持の欠如と神経細胞脱落の関連が報告され,咬合支持の欠如が認知症発症の疫学的危険因子であると考えられているが,海馬におけるAβタンパク質濃度の変化やアミロイド斑の沈着については統一した見解が得られていない。これは健常なげっ歯類ではアミロイド斑が沈着しにくいことや,ADモデルマウスとして頻用されるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid-beta precursor protein,APP)過剰発現マウスではAβ以外に過剰な断片が産生されてアミロイド斑沈着状態がAD患者と近似しないといった実験動物の選択に大きな問題があると考えられる。 申請者の研究により有用なADモデルマウスとして開発されたAPPノックインマウスの認知機能が抜歯により低下することを明らかにした。またAPPノックインマウスから採取された脳組織および血液を用いて、免疫組織化学染色によるAβ沈着およびELISAによるAβタンパク質量の解析を行ったところ、抜歯群と非抜歯群とで有意差がなかったという結果が得られた。これにより、抜歯による咬合支持の欠如に起因した認知機能の低下は明らかであるが、そのメカニズムはADとは異なる別の経路が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
APPノックインマウスの認知機能についての抜歯群と非抜歯群との比較や、同マウスから採取した脳組織および血液を用いて、免疫組織化学染色によるAβ沈着およびELISAによるAβタンパク質量の変化についての解析など、当初の予定通りに施行された
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今後の研究の推進方策 |
ADの病態として、Aβ沈着による神経細胞脱落から認知機能低下が生じるというアミロイド仮説が有力であるが、一方で、タウ仮説等、別の経路が関与する可能性についても報告されている。本研究の結果から、咬合支持の欠落によって神経細胞の脱落は生じたが、Aβ沈着には変化がみられなかった。このことから、咬合支持の欠如に起因する認知機能の低下に、Aβ沈着ではなく咬合支持の欠如による咀嚼求心性刺激の減少や、タウ仮説等の他の経路が働き生じた可能性が考えられる。このメカニズムについて詳細に検討を進める。
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