研究課題/領域番号 |
21K17070
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
畠山 航 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (20733728)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 骨補填材料 / ヒアルロン酸 / インプラント / ゼラチン / ハイドロキシアパタイト / BMP |
研究開始時の研究の概要 |
ヒアルロン酸は保水性や創傷治癒効果の長所から膝関節の治療や美容整形に利用されており、骨補填材としての可能性にも注目されている。しかしながら、未だ実用化には至っていない。その応用を目指し、ヒアルロン酸系複合材料に関する先行研究を独自に行い、ラットでの骨形成に成功した。そこで、本研究では、ヒアルロン酸原料から架橋ヒアルロン酸を自家合成し、生分解挙動、骨形成能や注入性等の複数機能の制御を可能とするヒアルロン酸系生体材料の創製を目的とした。特に、数種類の架橋法を試み最適な作製法と作製条件を探る。
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研究成果の概要 |
注入型試料として、チオール修飾ヒアルロン酸ベースnHAP・BMP複合試料を調製した。また、凍結乾燥体埋入試料として、EGDE架橋ヒアルロン酸・アルカリ処理ゼラチンベースnHAP・BMP複合試料を調製した。両試料において各種理工学的評価を行い、生体内残存期間の延長と、タンパク徐放能の向上を予期する結果を観察・計測した。また、マウス・ラット頭蓋骨に適用する動物実験を行い、凍結乾燥埋入試料については設定した骨欠損からの骨再生を、注入試料については埋入リング内の垂直的骨形成を観察し、それぞれBMP含有群で対照群よりも有意な骨形成を認めた。これら結果は2編の英論文として公表に至っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、ヒアルロン酸は創傷治癒促進や関節の緩衝潤滑剤を中心とした用途で用いられてきた。本研究ではヒアルロン酸を基材として骨補填材としての検討を行い、新たに骨領域における骨増生用DDS材料として使用可能であることを見出した。この成果は、普及が進んでいヒアルロン酸ベース骨補填材の実用化に向けた大きな一助になると考えられる。また、注入型ヒアルロン酸骨補填材においては、注射針の刺入のみの低侵襲な方法で骨増生を達成する可能性を示唆しており、患者の身体的負担の軽減や術者の施術操作の簡易化などが期待できる。これらメリットは、現在の骨増生術に対するハードルを大きく引き下げる、大きな成果である。
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