研究課題/領域番号 |
21K17078
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
仲澤 裕次郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (70847623)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 嚥下障害 / サルコペニア / 運動療法 / Sarcopenic Dyspenic / 高齢者 / 舌圧 / 骨格筋量 |
研究開始時の研究の概要 |
要介護状態の原因に筋力低下が指摘されていることから低栄養による筋肉量の低下に対応が必要である。サルコペニアを改善するために行う全身への運動療法が筋肉量の低下に起因する嚥下障害、Sarcopenic Dysphagiaの改善になると考え、筋肉量の変化や栄養管理を含めた摂食嚥下リハビリテーション効果への影響を前向き研究として検証しようとするものである。 目的は、摂食嚥下障害患者に対する運動療法の効果を検討することである。具体的には、サルコペニアに関連付けられる摂食嚥下障害を一症状と捉え、全身の筋力を向上させると、咀嚼や嚥下に関連する筋力、嚥下機能にはどのような影響を与えるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、摂食嚥下機能障害患者に対する全身の運動療法の効果を検討することである。具体的には、サルコペニアに関連付けられる摂食嚥下障害をサルコペニアの一症状と捉え、全身の筋力を向上させると、咀嚼や嚥下に関連する筋力にどのような影響を与え、さらに、摂食嚥下機能にはどのような影響を与えるかを明らかにしたいと考えている。高齢者の要介護状態の原因に筋力低下が指摘されていることからも、低栄養による筋肉量の低下に対する対応が必要である。その一方で、全身の筋肉量の低下に起因する嚥下障害である Sarcopenic Dysphagiaも注目を集めている。本研究は、サルコペニアを改善するために行う全身への運動療法はSarcopenic Dysphagiaの改善になると考え、運動療法による摂食嚥下機能障害患者の筋肉量の変化や栄養管理を含めた摂食嚥下リハビリテーション効果への影響を前向き研究として検証しようとするものである。 研究代表者は、外来受診した摂食嚥下障害患者へ1年間の摂食嚥下リハビリテーションを行い、その効果に関して検討を行い、舌筋力の増加量と介入開始時の全身の骨格筋量に関連があることを示した。これにより、摂食嚥下障害患者にとって骨格筋量を維持することは、摂食嚥下リハビリテーションの良好な予後に関連を示すことを明らかとした。そこで本研究では、サルコペニアによる摂食嚥下障害患者に対して、従来の口腔に特化した摂食嚥下リハビリテーションに加え、サルコペニア改善を目的とした全身に対する運動療法を行う事でより効果的に嚥下障害が改善されるのではないかと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
近隣在住の高齢者にボランティアを集い、14名の対象者に対し追跡調査を行った。初回時に栄養状態・運動機能・口腔機能を測定し、結果に合せた運動療法ならびに舌筋力のレジスタンス訓練を指導した。1月毎のデータ採集を行いながら2ヶ月間の経過を確認した。現在データを解析している段階である。
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今後の研究の推進方策 |
サルコペニアは全身の骨格筋量の低下に加えて歩行速度または握力の低下がある状態であることから、これらの下位因子と各口腔機能との関連についても明らかとする。骨格筋量の測定にはDXA法(Dual-energy X-ray absorptiometry法)、BIA法(生体電気インピーダンス法)、四肢周囲径やCT、MRIを用いた方法が考えられるが、対象者は高齢で体力の低下も予測されるため、低侵襲で計測に時間のかからないBIA法を用いる。また、実際の測定には姿勢などの制限を考慮し、座位や仰臥位での測定も可能な当科に既存の設備機器のIn Body s10を使用する。 対象患者の症状に応じて計画立てたレジスタンス訓練を中心とした摂食嚥下リハビリテーション介入と、それに加え全身の骨格筋量増加を目的とする運動療法を実施した。2か月間の追跡調査についてリハビリテーション効果にどのような影響を与えたか比較検証を行っているため、解析後学会での発表ならびに論文執筆を予定している。
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