研究課題/領域番号 |
21K17081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
齋藤 智昭 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40833554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | クロマチンアクセシビリティ / ATAC-seq / 口腔癌放射線耐性 / オープンクロマチン / ヘテロクロマチン |
研究開始時の研究の概要 |
アクセシビリティが高い状態にあるオープンクロマチン領域は、プロモーターやエンハンサーといった遺伝子発現制御領域に対応することが報告されている。癌の放射線耐性機構に多くの遺伝子が深く関与していると考えられるが、放射線耐性・感受性に関するオープンクロマチン領域の存在の有無さえ報告されていない。本研究は、クロマチンのアクセシビリティ解析を基盤とし、放射線耐性メカニズムをゲノムレベルから系統的に検討することで、放射性耐性に特異的な標的因子の同定ならびに解析を行い、それを応用した治療法の開発を目指すものである。
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研究成果の概要 |
クロマチンアクセシビリティ解析によって,放射線耐性口腔癌細胞や放射線感受性口腔癌細胞のオープンクロマチン領域やクローズクロマチン領域を同定し,その領域の近傍遺伝子群を検索した.さらに,DAVID-GO解析や発現解析を組み合わせて,放射線耐性関連候補遺伝子としてadenylate cyclase 2(ADCY2)を同定した.ADCY2発現抑制細胞を作成し,放射線照射後の細胞生存率を比較すると,ADCY2発現抑制細胞では有意に低下していた.本研究では,放射線照射によって惹起するADCY2の発現上昇は細胞の放射線抵抗性に関与する可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌に関しては,クロマチンアクセシビリティに注目した治療法(抗癌剤・放射線治療) の報告はない.さらに,本研究は個々の耐性関連機能ではなく,エピジェネティックな制御機構を同定・利用するという点が大きな発想の転換であり、まさに、新規医学・医療技術の開拓を目指した研究である.担癌患者の長期社会復帰などを実現させる可能性があり,社会的意義も大きい.
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