研究課題/領域番号 |
21K17093
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 翔一 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (90876525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / ΔNp63 / Wnt5a-Ror2シグナル伝達経路 / cytokeratin (CK) 19 / CK19 / OSCC / Wnt5aシグナル伝達経路 / 浸潤 / Wnt5aシグナル / の浸潤機構 |
研究開始時の研究の概要 |
申告者は、OSCC患者の生存率向上のために、転移の最初のプロセスである癌の浸潤機構の解明に着手した。その結果、ΔNp63を介したWnt5a-Ror2シグナル伝達経路が、OSCCの浸潤能を制御する可能性を示した。その際に、細胞外基質分解酵素であるMMP-2と癌の浸潤への関与が示唆されているCK19の発現変動を認めた。このことからOSCCはWnt5aシグナルを介して浸潤に適した環境を構築し、さらに自身の浸潤能を亢進していることが考えられる。しかしながら、その詳細については不明な点が多い。そこで本研究では、OSCCの浸潤機構を解明するために、Wnt5aシグナルとCK19との関連について検討する。
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研究実績の概要 |
がんの罹患率は年々増加傾向にあり、日本人の2人に1人はがんに罹患する時代が到来している。そのため、がんに関する研究は盛んに行われており、近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新たながん治療薬が開発されている。しかし、OSCC患者の生存率はここ数十年の間、大きくは改善されていない。その最大の要因は、OSCCの高い局所浸潤能にあり、高頻度に生じる転移を制御できていないためである。 そこで我々は、転移の最初のプロセスである癌の浸潤に焦点をあてて研究を行ってきた。その結果、癌抑制遺伝子p53のホモログであるΔNp63の発現減弱によりEMTが誘導される分子機構の1つとして、Wnt5a とそのレセプターであるreceptor tyrosine kinase-like orphan receptor (Ror) 2シグナルとの関与を明らかにした。Wnt5aおよびRor2は、肺扁平上皮癌や皮膚扁平上皮癌などでも高発現している。我々もまた、OSCCにおいてWnt5a-Ror2シグナルを介してMMP-2の分泌が促進され、浸潤能が亢進することを示した。さらに、Wnt5aまたはRor2をノックダウンするとOSCCの浸潤能が抑制され、CK19の発現が減弱していた。 CK19は、細胞骨格としての機能を果たす一方、非小細胞肺癌の有用なマーカーとして臨床応用されおり、様々な癌腫において浸潤との関与が報告されている。しかし、OSCCにおけるCK19の詳細な役割や、Wnt5aとの関連については不明である。そこで今回、OSCCの浸潤機構を解明するためにWnt5aシグナルとCK19との関連について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
出向により、研究機材不足や資材不足のため。
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今後の研究の推進方策 |
ΔNp63を介したOSCC浸潤機構では、Wnt5aシグナル伝達経路が2つの機能を果たしていることが考えられた。1つ目は、細胞外基質分解酵素であるMMP-2を発現し、細胞接着因子を分解して浸潤に有利な環境を構築するのではないかということ。2つ目は、CK19の発現により細胞形態を変化させ、OSCC自身の運動能を向上させているのではないかということ。 これらの関連を調査するため、機能実験や新たな関連因子の調査を行う。
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