研究課題/領域番号 |
21K17126
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
上田 美帆 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10774391)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗G-CSF中和抗体 / 骨髄炎 / anti-G-CSF antibody / 骨リモデリング微小環境 / 破骨細胞 / 破骨前駆細胞 / 顎骨壊死 / 骨芽細胞 / 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死 / G-CSF |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症などに投与される骨吸収抑制薬の重大な副作用である骨吸収抑制薬関連顎骨壊死は発症メカニズム等不明な点が多い。免疫系の活性化に伴う骨破壊は、関節リウマチ、歯周病や骨髄炎などの感染症に頻繁に観察される。好中球は炎症を制御する一方、過剰に活性化されると様々な炎症性サイ トカインを放出し、逆に炎症の増悪や組織の損傷を引き起こす。活性化した好中球を制御することにより骨吸収抑制薬関連顎骨壊死を解明・治療法を探索するための基礎研究である。
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研究成果の概要 |
マウスにゾレドロン酸を投与し、上顎第一臼歯部に絹糸を巻き付け、周囲歯周組織にLPSを投与し、炎症惹起型骨吸収抑制薬関連顎骨壊死モデルを作製した。その後、上顎第一臼歯部周囲歯肉にanti-GCSF antibodyを局所投与(anti-G-CSF投与群)し、歯肉粘膜、顎骨を含めた組織を採取して病理組織学的に評価を行った。 TRAP染色では、対象群およびanti-G-CSF投与群ともに有意なTRAP染色陽性破骨細胞は認められなかった。HE染色では、第一大臼歯部の歯槽骨吸収を確認した。明らかな骨露出は認めなかったが、anti-G-CSF投与群は対象群と比較してempty lacunaeの減少を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症や骨転移を有する悪性腫瘍の患者の治療に広く用いられている骨吸収抑制薬の重 大な副作用の一つに骨吸収抑制薬関連顎骨壊死があり、患者数は増加傾向にある。炎症の制御が困難になると、腫脹、疼痛、外歯瘻などで患者の口腔に関するQOLは著しく低下するため、軟組織を含めた炎症の局所コントロールは重要である。骨吸収抑制薬関連顎骨壊死という軟組織を含めた炎症性疾患は、活動亢進した好中球による好中球介在性疾患とみなされるのではないかという問いを明らかにし、活性化した好中球を制御できれば、患者の口腔に関するQOL維持に繋がると考えられる。
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