研究課題/領域番号 |
21K17133
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長谷川 真奈 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90779620)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 疼痛 / ストレス / 運動療法 / マウス / トレッドミル / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 痛み / 顎顔面痛 / Vc |
研究開始時の研究の概要 |
ストレスは痛み(ストレス誘発痛)を増大させ、QOLを低下させる。歯科領域でみられる慢性痛を主症状とする疾患においてもストレスが痛みの増強因子であることが知られる。一方、ストレスは不可避な存在であるため、これを制御するには日常的な方法でストレスを解消することが望ましい。本研究の目的は、ストレス解消法として近年注目されている運動療法に着目し、①ストレスによる三叉神経脊髄路核尾側亜核(Vc)のグリア機能の変調が、顎顔面痛増大の脳メカニズムであること、②運動療法が変調したグリア機能を改善し、ストレス誘発痛を軽減すること、の2点を解明することである。
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研究成果の概要 |
顎顔面部の慢性疼痛は、ストレスが痛みの増強因子であることが知られる。ストレスは不可避であるため、日常的な方法でこれを制御できることが望ましい。本研究は、運動療法がストレス誘発性の顎顔面痛に及ぼす影響と、その中枢メカニズムを解明することを目的に実施した。社会的敗北ストレスモデルマウスを対象に、咬筋ホルマリン誘発性疼痛関連行動と、Vcでのc-Fos、FosBタンパクの発現を定量した。SDS群では咬筋侵害応答およびVcの興奮性が増大した。10日間毎日トレッドミル走を実施した群では、これらが有意に軽減したが、3日に1回運動を実施した群では有意な改善がみられなかった。上記の成果を英文誌に投稿した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、慢性疼痛の治療法として非薬理学的なアプローチの開発が期待されている。本研究では低強度の身体的運動が、中枢神経系の機能変調への介入効果により、ストレス誘発性の顎顔面痛を軽減できることを動物モデルを用いて明らかにした。本研究結果は歯科臨床系の雑誌にもトピックとして取り上げられ、身体的運動が単なるストレス解消や健康増進だけでなく、顎関節症に代表される歯科領域の慢性痛への対応の一助となる可能性を広く示すことができた。
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