研究課題/領域番号 |
21K17143
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鎌田 裕 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (70877068)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | ID2 / STAT3 / JAK/STAT3シグナル伝達経路 / 口腔癌 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、これまでの研究からID2の発現が口腔癌の悪性度に寄与することを見出した。一方で、口腔癌を含むほぼ全ての固形癌において恒常的活性化が認められるJAK/STAT3シグナルとID2の関連性が示唆されているが、これまで口腔癌における関連性については不明であった。本研究では、申請者が作製したID2強制発現株と発現抑制株を用いることで、この関連性を明らかにすることを目的とする。これにより、口腔癌における治療抵抗性や薬剤耐性の分子メカニズムに対する重要な知見が得られる。また、今後の治療戦略や複雑に構築された分子間相互作用の解明へと発展させていく分子基盤の構築を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、口腔癌におけるJAK/STAT3シグナルとID2の関連性を明らかにすることである。具体的には、OSCC細胞株を用いてJAK/STAT3がID2の発現動態に 対しておよぼす影響を調べる。本研究によりJAK/STAT3シグナルの抑制がID2の発現増加をもたらす可能性がある。JAK/STAT3シグナルの活性化によるがんの進展については多くの報告が存在する。一方、OSCC細胞株においてID2の発現量は悪性度に寄与する。そのため、JAK/STAT3シグナルとID2の関連性は示唆される場合は、そのシグナル伝達機構を明確にする必要がある。しかしながら、これまで口腔癌においてJAK/STAT3シグナルとID2の関連性について詳細な解析はない。JAK/STAT3シグナルとID2はともに口腔癌の悪性度に促進的である。しかしこれまでの研究から、JAK/STAT3シグナルの抑制がID2の発現増加につながる可能性がある。これは臨床的に治療抵抗性や耐性獲得のメカニズムとなり得る。そこでID2発現系とID2発現抑制系のOSCC細胞を用いて、JAK/STAT3シグナル伝達経路を抑制した際のOSCC細胞の悪性度に及ぼす影響を解明することを目指す。 ID2発現OSCC細胞株の培養を行い、WB法によるSTAT3活性化およびID2発現の確認を行った。JAK阻害薬添加培地による細胞培養を行い、STAT3活性阻害の確認とID2発現レベルの変化の確認を行った。JAK/STAT3シグナル伝達経路の活性化因子であるIL-6を作用させ、STAT3活性およびID2発現についての検証を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ID2発現OSCC細胞株におけるID2発現の恒常性に疑問があり、ID2発現の再検証を行っている。ID2発現の検証と同時に、新たにID2遺伝子を導入した細胞株の樹立を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
新たに遺伝子導入し樹立したID2発現系OSCC細胞株でのJAK/STAT3シグナル伝達経路にかかわる各種サイトカインの再検証を行い、各種JAK阻害薬を作用させJAK/STAT3シグナル伝達経路を抑制した状態およびIL-6 を作用させ活性化した状態でのID2発現への影響を確認する。またSTAT3の抑制状態および活性化状態における細胞悪性度への影響を確認する。
|