研究課題/領域番号 |
21K17157
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大澤 知朗 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10882277)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | microRNA / エピジェネティクス / 顔面形成 |
研究開始時の研究の概要 |
中顔面の陥凹は、外科的矯正治療などを必要とする異常である。中顔面の陥凹は、家族性の症候群として認められることがある一方、非家族性としても多く見られる。非家族性中顔面陥凹は、ゲノムの異常が原因ではない。ゲノム以外の分子制御機構には、エピジェネティクスが知られており、その一つにmicroRNAがある。1つのmicroRNAは複数~数百の遺伝子をターゲットにするため、1つのmicroRNAの変化でもその分子変動は広範囲に渡る。microRNAと中顔面陥凹との関連を解明する。本研究により、中顔面陥凹が引き起こる原因が解明できれば、予防的な処置により外科的矯正治療などを回避できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
中顔面の陥凹は、外科的矯正治療などを必要とする大きな異常であり、家族性の症候群の症状の一つとして認められる。その一方、非家族性としても多く見られ、これはゲノムの異常が原因ではないことを意味する。本研究は、エピジェネティクス因子の一つであるmicroRNAが欠損したマウスで認められる中顔面の陥凹の発症機序を検索した。本研究の結果より、正常な顔面形成中の神経堤由来細胞では、microRNAの発現によりDNA損傷が回避されていることが示唆された。非家族性の中顔面陥凹は、通常はmicroRNAを介して回避されているはずのDNA損傷が回避されず、老化シグナルが惹起された結果引き起こされた可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
審美的な要求度の高い顔面における異常は、患者のquality of lifeに大きな影響を与える。中顔面陥凹は外科的矯正治療などを必要とする大きな顔面異常である。その多くは非家族性として認められるが、発症機序は謎のままである。本研究結果は、顔面形成に、ゲノムではないエピジェネティクス因子の一つであるmicroRNAが関与していることを示した。その本研究成果の意義は極めて大きい。今後、正常な顔面形成を促すための出生前治療の確立に大きく貢献できると考えられる。
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