研究課題/領域番号 |
21K17158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中津川 昂平 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40848248)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 部分無歯症 / Wnt10A / 小児がん / シクロホスファミド / 歯の発生 / Wntシグナル / 先天欠如歯 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,歯胚の発生に重要とされているカノニカルWntシグナルをGFPで可視化するマウス(R26-WntVisマウス)を用い,抗がん剤のシクロホスファミド(CPA),抗てんかん薬であるバルプロ酸(VPA),ビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸(RA)の投与を行うことで,環境的要因による歯の発生過程への影響の探索を行う。さらには,WNT10Aのノックアウトマウスを作成して同様に3種の薬剤を投与し,薬剤投与による歯の形成異常においてWNT10Aがどのように影響しているのか解明する。
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研究成果の概要 |
マウスに代表的な抗がん剤であるシクロホスファミド(CPA)を投与すると、歯の形成段階に応じて歯の形成異常が生じることが知られている。本研究では歯胚形成に重要な役割を担うWntシグナルに着目し、Wntシグナルを蛍光タンパクで可視化するマウスを用い、CPAやバルプロ酸、レチノイン酸を投与することで、歯の発生過程への影響の探索を行った。結果としてはWntシグナルが歯の形成段階によって様々な部位で重要な役割を担っていることが示唆され、特にCPA投与直後にはWntシグナル周囲の細胞特異的に細胞死が生じることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児がん治療により顎顔面領域の晩期合併症として顎顔面形態異常や歯の形成異常が生じたという報告が増加している。小児がん治療などの環境要因が顎顔面領域の発生過程に与える影響については未だ不明な点が多い。本研究では,顎顔面領域での発生に重要とされているWntシグナルを蛍光タンパクで可視化するマウスを用い,小児がん治療薬、バルプロ酸とレチノイン酸をこのマウスに投与した。これにより環境要因がもたらす顎顔面発生ならびに歯の発生過程への影響の探索を行った。本研究結果により,環境要因に伴う顎顔面領域の合併症に対する基礎的理解が深まり,予防法や治療法の確立に貢献する事が可能となる。
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