研究課題/領域番号 |
21K17163
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
廣藤 雄太 九州大学, 歯学研究院, 助教 (80759746)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | Rett症候群 / MeCP2 / 乳歯歯髄由来幹細胞 / ドーパミン作動性ニューロン / ミトコンドリア / BDNF |
研究開始時の研究の概要 |
Rett症候群は乳幼児期に発症する単一遺伝子異常に起因する神経発達障害であり、原因遺伝子としてMeCP2が同定されている。MeCP2の変異はミトコンドリアの機能低下を引き起こすことが報告されているが、これがどのような機序で神経細胞の発達障害に関与しているかは解明されていない。 本研究では、Rett症候群患児から得たMeCP2が欠損した脱落乳歯歯髄由来幹細胞から分化させた神経細胞に対し作用機序の異なるミトコンドリア活性化薬を作用させ、その効果を細胞生物学的に解析することによりMeCP2欠損によるミトコンドリアの機能低下と神経細胞の発達障害における分子機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究はRTT患児から得た乳歯歯髄由来幹細胞(SHED)から分化させたMeCP2欠損ドーパミン作動性ニューロン(DN)を活用し、その病理学的機序を解明することを目的とする。そこで正常MeCP2発現SHEDと患児由来MeCP2欠損SHEDを用いて解析したところ、MeCP2欠損DNに見られる神経突起発達不全はミトコンドリア機能活性化薬であるBDNFを添加すると改善した。また、MeCP2欠損DNではBDNFのmRNAの発現が亢進しているにもかかわらず、細胞外BDNFタンパク質レベルは低下していることもわかった。このことからMeCP2欠損DNではBDNFの細胞外分泌が障害されている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天異常における詳細な発症機序の解明と根本的な治療法の開発には、互いに補完し合う多種多様な疾患モデルが必要である。本研究の学術的意義として、Rett症候群患者由来の脱落乳歯歯髄幹細胞が、脳内ドーパミン作動系の病態モデル細胞の1つとなり得ることを示した。さらに既知のミトコンドリア機能活性化薬を用いて、ミトコンドリア機能の観点からRett症候群の病態解析を行うことで、ミトコンドリア標的薬開発へと展開できる可能性について示した。また社会的意義として、小児歯科医療が、先天異常に罹患した小児の健全な口腔発育のサポートだけでなく、脱落乳歯を活用した先天異常の病態解明研究にも貢献し得るという価値を示した。
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