研究課題/領域番号 |
21K17167
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
氏家 隼人 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (70826148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 小児期侵襲性歯肉炎 / サイトカイン / 間葉系幹細胞 / 若年性歯周炎 / マクロファージ / 侵襲性歯周炎 / 侵襲性歯周炎(若年性歯周炎) / Aggregatibacter / actinomycetemcomitance / Lypopolysaccharide (LPS) / ラット歯根膜由来間葉系幹細胞様細胞(SCDC2) |
研究開始時の研究の概要 |
小児期の侵襲性歯周炎の発症には、Aggregatibacter actinomycetemcomitance (A.a)が関与し、A.aのlypopolysaccharide (LPS)がマクロファージを炎症性マクロファージ(M1-MΦ)に分極させ、破骨細胞への分化・活性化を行う。炎症性組織中の間葉系幹細胞は、M1-MΦを抗炎症性マクロファージ(M2-MΦ)に分極化させる。しかし、間葉系幹細胞がどのようにMΦをM2-MΦに分極化するかについては不明である。本申請者は、歯根膜由来間葉系幹細胞によるMΦ分極化調節メカニズムの全容を解明し、小児期の侵襲性歯周炎治療法樹立のための分子基盤を確立したい。
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研究実績の概要 |
2022年度には、マウス末梢血から採取したマクロファージ(MΦ)系細胞のM2-MΦへの分極化誘導が可能かどうかについての調査を進めた結果、マウス末梢血由来のMΦ系細胞は、MSC由来のサイトカインの刺激のみで抗炎症性マクロファージ(M2-MΦ)へと分極化させられることが判明した。このように、本研究の目指す間葉系幹細胞mesenchymal stem cell(MSC)とM2-MΦとの併用による小児期侵襲性歯肉炎治療の確立のためには、ヒト末梢血由来MΦとMSCとの併用によるM2-MΦの大量調製方法が応用できる可能性が示唆された。そこで、2023年度には、MSC由来のサイトカイン刺激でM2-MΦに分極化誘導された細胞が、M2-MΦやMSCのホーミング先の小児期侵襲性歯肉炎組織中で、MSCの影響下でM2-MΦの分極化が維持されるのかどうかについて、調査を進めた。まず、in vitroレベルでの予備実験として、一旦、マウス末梢血由来のMΦ系細胞をサイトカイン刺激にてM2-MΦに分極化させた後に、MSCとの共培養を実施し、共培養した場合としていない場合で、M2-MΦの分極化の程度に変化が生じるか否かについての調査を進めているところである。具体的には、現在までに、M2-MΦへの分極化でその発現が増強する表面抗原に注目して、そのタンパク質レベルでの発現解析を実施した。その結果、一部のM2-MΦ表面抗原の発現は、MSCとの共培養をした場合としていない場合では、MSCとの共培養をした場合の方が、それをしていない場合と比較して、高い発現量となっていることが明らかとなった。このことは、M2-MΦやMSCのホーミング先の小児期侵襲性歯肉炎組織中でM2-MΦの有する抗炎症作用が持続するという可能性を示唆するものであり、たいへん興味深い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で示した通りに、小児期侵襲性歯肉炎組織中でのM2-MΦとMSCとの相互作用による消炎療法確立の可能性は確認できつつある。しかし、当初の研究計画では、2023年度は、in vivoによるM2-MΦとMSCとの併用療法の可能性を明らかとする研究を開始する時期にあたるが、その段階までには達してはいないため。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」で述べたように、in vivoモデル(小児期侵襲性歯肉炎モデル)を利用して、M2-MΦとMSCとの併用による消炎療法の可能性について明らかとする。またとくに、当初の研究計画に沿って、M2-MΦとMSCとの相互作用による抗炎症性効果を発現するためのキー分子を特定して、小児期侵襲性歯肉炎の治療法開発のための分子基盤を確立する。
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