研究課題/領域番号 |
21K17181
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉川 浩史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (10848253)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | ヒアルロン酸合成酵素 / 歯の形態形成 / コンディショナルノックアウトマウス / 糖鎖 / 三次元解析 / ヒアルロン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
歯の形態形成は、上皮細胞と間葉細胞間のシグナル伝達により部位・時間特異的に緻密に制御されているが、複雑な歯の形態を制御する機構は未だ明らかになっていない。近年、ヒアルロン酸(HA)の歯の形態形成への関与が注目されているが、生体組織におけるHAの歯の形態形成を制御する仕組みについて詳細に検討した報告はない。 HAの生合成は3種類のHA合成酵素(HAS1,2,3)により部位・時間特異的に巧妙に制御されている。本研究では、各HA合成酵素(HAS1,2,3)のノックアウトマウスから摘出した歯または歯胚を、三次元組織学的・三次元形態学的アプローチにて解析し、HAと歯の形態形成の関わりを解明する。
|
研究実績の概要 |
歯の形態形成は、上皮細胞と間葉細胞間のシグナル伝達により部位・時間特異的に緻密に制御されているが、複雑な歯の形態を制御する機構は未だ明らかになっていない。近年、機能的糖鎖と言われているヒアルロン酸(HA)の歯の形態形成への関与が注目されているが、生体組織におけるHAの歯の形態形成を制御する仕組みについて詳細に検討した報告はない。 HAの生合成は3種類のHA合成酵素(HAS1,2,3)により部位・時間特異的に巧妙に制御されている。我々は、これまでにHAが歯の形成過程にて形成端に強く発現していること、HAS1/3ダブルノックアウトマウスにて歯の形態形成異常が生じることを見出した。 そこで本研究では、各HA合成酵素(HAS1,2,3)のノックアウトマウスから摘出した歯または歯胚を、三次元組織学的・三次元形態学的アプローチを融合させた新規手法にて解析し、HAと歯の形態形成の関わりを解明することを目的とした。 Has2 のコンベンショナルなノックアウトマウスは胎生致死であるため、まずコンディショナルなノックアウトマウスを作製した。ERT2-Creはタモキシフェン誘導性のCreであり、妊娠マウス母体への投与により任意の時間でノックアウトが可能であるため、タモキシフェンによる誘導の至適条件(投与時期、投与方法、濃度)及び解析時期を検討した。胎生13.5日目の母体に経口投与を行い、胎生18.5日目にて胎児を摘出して解析した。骨格標本に加え、マイクロCT撮影および組織学的解析を行なったところ、野生型と比較したノックアウトマウスの歯胚形成において、下顎第二大臼歯の形成が阻害されていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去の文献に基づいた条件設定を行う予定であったが、タモキシフェンの投与時期、投与方法、濃度等に修正を加える必要があった。さらに、胎生期のマウスの解析が必要であるため、十分な個体数の確保に時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、歯の形成過程におけるヒアルロン酸合成の動態をモニタリングする必要があるため、ヒアルロン酸結合タンパク(HABP)にGFPをカップリングすることで、蛍光標識ヒアルロン酸結合タンパク(GFP-HABP)を作製する。さらに、赤色タンパク(RFP)標識E-Cadherin抗体を用いてエナメル上皮を標識する。歯の形成過程の各段階(胎生12.5から生後7日齢)で臼歯または臼歯歯胚を摘出し、HABPとRFP-E-cadherin抗体を用いてwhole mountでの二重染色を行う。また、同時に細胞核の染色液であるDAPIを混合することで、歯または歯胚の形態形成過程の全体像を検出する。Whole mountにて染色したサンプルは、Light sheet顕微鏡にて撮影を行い、歯の形態形成過程におけるHAの局在の時空間的解析を行う。
|