研究課題/領域番号 |
21K17183
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小林 優子 (森川優子) 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (70803188)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 小児がん / 大量化学療法 / 口腔細菌叢 / 歯周病菌 / ミュータンスレンサ球菌 / Streptococcus mutans / 口腔粘膜障害 / 抗がん剤 / ABCトランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
小児がん患者における大量化学療法の際には、免疫能が低下することで口腔内の環境が大きく変化するため、口腔細菌叢に変化が生じる可能性が考えられている。各種口腔細菌において、口腔内の環境変化に対応する最も重要なタンパクとして「ABCトランスポーター」が挙げられ、口腔細菌が様々な環境の変化に曝露された際に、そのストレスに応答することで発現動態を変化させることが知られている。本研究では、大量化学療法を行う小児患者における口腔粘膜障害の原因の特定につながる知見を得るために、患者の口腔検体を採取し口腔内細菌の「ABCトランスポーター」に焦点をあてて、分子生物学的手法を用いてその発現動態を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
造血幹細胞移植を施行する患児から唾液を採取し、PCR法を行った。移植3か月後のサンプルでは、すべての口腔レンサ球菌と歯周病原菌において,移植1か月後と比較して検出率が増加した。さらに菌種を特定するためにシークエンス解析を行ったところ移植前は Actinomyces 属が最も多かった。それ以降はどのステージにおいても Streptococcus 属が最も多くの割合を占めていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大量化学療法による全身状態の変化や長期にわたる抗生剤の投与によって、移植前では歯肉炎に関与するActinomyces 属が多く、移植直後からStreptococcus 属へと菌叢が変化している。大量化学療法を行うにあたってターゲットとなる細菌が明らかになれば口腔衛生指導の要点や粘膜障害を予防するための足がかりになると期待できる。
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