研究課題/領域番号 |
21K17187
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
近藤 愛理 (井野愛理) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (70827633)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 咀嚼筋機能 / 退行性変化 / シェアストレス / 咀嚼筋 / 筋力 / 骨形態 |
研究開始時の研究の概要 |
近代は加工食による軟食化が進み、食事の時間と噛む回数は少なくなり、噛む力も古代に比べて極度に小さくなった。この咀嚼能力の低下に従って人類の顎は次第に小さくなってきたとされているが、このような顎顔面形態の変化のメカニズムは解明されていない。最近、水生生物のメダカにおいても無重力環境で骨密度が減少することが明らかになったが、そこでは、ミトコンドリア関連シェアストレス(Shear stress、剪断応力ストレス)蛋白の発現上昇と破骨細胞の分化促進・活性化が認められた。本研究では、咀嚼筋機能低下に伴う骨密度減少と顎骨の形態変化ならびにシェアストレス蛋白との関連を検討する。
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研究成果の概要 |
咬筋機能低下に伴う骨密度減少と顎骨の形態変化ならびにミトコンドリア関連シェアストレス蛋白との関連を検討することを目的とした。ラット両側の咬筋にBotulinum Toxin Type Aを注射し、咀嚼筋力低下を惹起したモデルラットを作製した。骨形態計測ではBotulinum Toxin Type A投与ラットにおいて、顎骨の海綿骨の減少が認められた。また破骨細胞の増加がみられ、シェアストレス蛋白fkbp5の発現の増加傾向がみられた。これらの結果から咬筋機能低下により骨密度が減少し破骨細胞は増加するが、そこにミトコンドリアシェアストレス蛋白が関わる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、咀嚼筋力低下による間欠的で緩急のある力学的ストレスの低下が、顎骨の骨密度・形態に及ぼす影響を探求する。さらには、力学的ストレスと一般生体ストレスの双方に共通に働く因子の関与を探求する。そして、顎骨形態変化の原因に迫ることにつながっていく可能性があることが学術的意義のあるところである。さらに、顎顔面形態の変化は歯列形態の変化に直結しており、メカニズムの解明により、将来的に不正咬合の予想・予防につながることに社会的意義がある。
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