研究課題/領域番号 |
21K17196
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 武史 大阪大学, 大学院薬学研究科, 招へい研究員 (10898224)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 口臭 / 歯周病 / 微生物代謝 / 細菌間相互作用 / 口腔細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
口臭は他人が最も不快に感じる体臭の一つである。主要な口臭の原因成分として、微量でも非常に強力な臭気を発するメチルメルカプタンが知られている。我々は、ある特定の2種類の口腔細菌の共存によって、このメチルメルカプタンの発生が約3倍に増加する「口臭増強機構」を発見した。本研究では、この口臭増強機構の仕組みを明らかにし、新たな口臭予防対策に繋げる。
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研究成果の概要 |
本研究では、Fusobacterium nucleatumと口腔レンサ球菌との共存によってメチルメルカプタン(CH3SH)の発生が増加する「口臭増強機構」の解明を目指した。その結果、①口腔レンサ球菌が排出するアミノ酸代謝物によってF. nucleatumのCH3SH産生が増加すること、②その促進にはF. nucleatumのポリアミン合成を介したメチオニン代謝経路が関与していることを見出した。③口臭原因物質である硫化水素(H2S)の産生に関与する新たな口臭原因菌も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口臭は他人が最も不快に感じる体臭の一つであるが、自己識別が難しい。そのため、口臭を気にする人は多く、口臭心身症(自臭症)も増加傾向にある。口臭の原因成分の中でも微量で非常に強力な臭気を発するメチルメルカプタン(CH3SH)は、日本人の8割が羅患している歯周病の悪化因子としても注目されている。本研究より、口腔内のCH3SH発生には、口臭増強因子を口臭原因菌に受け渡す、間接的口臭原因菌の関与が明らかになったことで、今後は新たな治療法や薬剤開発が進み、口臭予防のみならず、歯周病の治療にも役立つと期待できる。
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