研究課題/領域番号 |
21K17199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾田 友紀 広島大学, 病院(歯), 専門研究員 (40641949)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | Autistic spectrum / oral flora / intestinal flora / ゲノム解析 / 16S rRNA gene analysis / oral microbiota / intestinal microbiota / next-generation sequence / プロバイオティクス / 障害者 / 自閉スペクトラム症 / L8020 / 腸脳相関 / 口腔内細菌 / 腸内細菌 / 口腔内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌と脳機能や精神疾患が関連する「脳腸相関 brain-gut interaction」についてエビデンスが蓄積されており,精神疾患のひとつである自閉スペクトラム症では腸内細菌叢とその重症度が関連することが報告されている.近年,口腔内と腸内の細菌叢の関連が報告され,口腔・腸・脳相関の存在の可能性が高まっているが,その実態は明らかでない.本研究では,プロバイオティクスで自閉スぺクトラム症者の口腔内細菌叢を変化させ,腸内細菌叢およびその症状の変化を分析することで,口腔・腸・脳相関の実態を解明したい.
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研究成果の概要 |
初年度、新型コロナウイルスの影響で、ASD者の来院が激減し、対象者の決定が難航した。そこで、知的能力障害者を広く対象とし、まずは健常者と知的能力障害者の口腔内細菌叢に違いがあるかを検討し、知的能力障害者の口腔内細菌叢の多様性は、健常者と比較して有意に低いことが明らかになった。上記の成果は、日本障害者歯科学会・国際障害者歯科学会にて発表後、英語論文としてまとめた。次年度以降は、 ASD者16名と同居する兄弟について、唾液、歯垢、便を採取し、細菌叢の違いについてゲノム解析を行い、唾液と歯垢では、自閉スペクトラム症群は健常者と比較して、有意に多様性が高く、便においては差がないことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果より、自閉スペクトラム症者の細菌叢を健常者と比較した結果、唾液と歯垢では自閉症者で多様性が有意に高かった。一方で、かねてより報告されていた便においては多様性に違いがみられなかった。かねてより、精神疾患の精神症状と腸内細菌叢に何らかの関連がある可能性が指摘されているが、本研究よりASD群と健常群の口腔内細菌叢の違いは、腸内細菌叢における違いよりも顕著であった。このことから、口腔・腸・脳相関が存在する可能性が示唆された。
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