研究課題/領域番号 |
21K17207
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 神戸常盤大学 (2022-2023) 神戸常盤大学短期大学部 (2021) |
研究代表者 |
西保 亜希 (川野 亜希) 神戸常盤大学, 保健科学部, 講師 (30880653)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | マクロファージ / 歯周病原細菌 / フラボノイド / 炎症性サイトカイン / Dアミノ酸 / 歯周病 / 細菌感染 / 抗炎症作用 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は、慢性炎症として全身に影響することが知られる口腔疾患である。細菌が誘導する炎症性物質の産生によって免疫応答が誘発され、結果として歯肉の炎症や骨組織の破壊など様々な病徴を示す。植物界に広く分布するポリフェノール類は、強い抗酸化作用および抗炎症活性を有しており、慢性炎症に対して効果的であると考えられている。特に、ポリフェノール類に属するフラボノイドは、抗酸化性や血圧上昇抑制など生体調節機能に対して有益な報告がされている。本研究は、歯周病細菌が誘発する炎症応答に対するフラボノイドの可能性を探索し、作用機序について解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は,歯周病原細菌を感染させて炎症を誘導したマクロファージ様細胞に対して,抗酸化作用を有する有機化合物群であるフラボノイドが与える影響について検証してきた. 当初立案した研究計画は,①歯周病原細菌が侵入したマクロファージに誘導される炎症性サイトカインの発現解析 ②フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析 ③フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析である. 前年度までに,フラボノイド群に含まれるDayzein,Epicatechin, Quercetinの3種を研究に供して,炎症性サイトカインIL-1βの発現を確認できた.3種のうち,Epicatechinが炎症抑制に働く傾向が認められた.計画立案のうち,③に関するデータの蓄積が必要であるため,引き続き検討を重ねる予定である. また,今年度は新たにDアミノ酸を用いる検討も加えた.先述のフラボノイドはポリフェノールの1種であり,食品では茶葉や大豆等に含まれている物質である一方で,同様に食物に含まれる物質で生理機能活性に関与するという報告がされているのがDアミノ酸である.近年,哺乳類を含む高等動物におけるDアミノ酸の研究報告が増加している.そこで,刺激因子として新たに数種類のDアミノ酸を研究に供し,う蝕病原細菌や歯周病原細菌が有する病原性に与える影響についても併せて検討していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の遂行に係る時間が十分に確保できていないため。 今年度は研究計画の見直しも含め,円滑な遂行に努める。
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今後の研究の推進方策 |
当初立案した計画は,①歯周病原細菌が侵入したマクロファージに誘導される炎症性サイトカインの発現解析 ②フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析 ③フラボノイド添加による歯周病原細菌が侵入したマクロファージの免疫応答の解析である. 今後は③の遂行と,新たに加えたDアミノ酸が及ぼす効果と作用機序についても解明することを計画している.
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