研究課題/領域番号 |
21K17214
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大戸 敬之 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60754299)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 地域歯科医療 / 離島・僻地 / 地域志向性 / 地域歯科医療教育 / 歯科医学教育学 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科医師が社会的役割を担い地域社会に貢献することは、『歯学教育モデル・コア・カリキュラム』においても歯科医師の基本的な資質としてあげられており、地域歯科医療を担う人材の育成などを目的として卒前の地域歯科医療教育が実施されている。しかし、どのような内容の実習をどの程度行うことが学習者にとって有効であるかなど教育効果は未だ明らかとなっていない。そこで、本研究では地域歯科医療教育の学びの実態および地域志向性に影響する因子を解明し、より効果的な地域歯科医療教育プログラムやその評価法の開発につなげ、エビデンスに基づく教育の実践を目指す。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、歯学生が地域歯科医療実習を経験することにより、実習前後で学生の認識がどのように変化したのか、検証をおこなった。研究代表者の所属機関の歯学生を対象として、実習前の半構造化インタビューと実習ポートフォリオから、主題分析法を用いて学生の認識の変化について分析した。その結果、実習前後で離島歯科医療に対する認識モデルを得ることができた。実習前では、豊かな自然といった離島歯科医療への促進因子と担当する歯科医療の幅の広さという障壁因子が学生の認識の主要な構成要素としてあげられていた。また実習後では、本土からの距離などの障壁因子が増加しており、促進因子が減少していることが確認された。昨年度に実施した分析から既に離島で診療を行う際の障壁因子の増加は明らかとなっていたが、今回の調査では「(離島ではなく)『地域』の歯科医療に貢献したいという意欲」という新たな要素を得ることができた。実習を通じて、時間的・物理的距離に直面することが認識に大きく影響していたと考えられるが、さらに短期間の離島実習における効果として、地域貢献への意欲が高まるという好影響が示唆されており、学生の地域志向性を向上することができる大きな要因であると考えられる。今後は、離島で実際に診療を行い、「離島の歯科医師」を体現している歯科医師に求められるコンピテンシーを明らかにし、今後の教育プログラムの改善の方策につなげていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、実習前後や半構造化インタビューだけでないポートフォリオからのデータ収集も実施することができ、また分析も概ね順調に進めることができた。以上から、全体としてはおおむね順調に進展していると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、地域志向性の涵養に影響する因子は概ね分析をできたことから、離島で診療を行う歯科医師のコンピテンシーを明らかにし、その内容を踏まえた学士課程の教育プログラムや離島歯科医療実習の改善へ提言できるように研究を進めていきたいと考える。
|