研究課題/領域番号 |
21K17216
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
茂山 博代 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20875554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 揮発性低分子有機化合物 / 口腔がん / 唾液 / スクリーニング / 部位特異性 / ガスクロマトグラフ質量分析装置 / バイオマーカー / 揮発性低分子有機化合物(VOC) / ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS) |
研究開始時の研究の概要 |
揮発性低分子有機化合物(Volatile Organic Compound, 以下VOC)は、生体内の代謝変化を反映するバイオマーカー分子として注目されている。しかしながら、VOCと疾患の関連性については不明な点が多い。 本研究は、口腔粘膜擦過細胞を用いたVOCの網羅的解析を行うことで、がんに特異性を示すVOC成分の特定および疾患の経過とVOCの関連性の評価を行い、前がん病変や初期の口腔がんの診断精度の向上をはかることを目的とする。
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研究実績の概要 |
がんの診断には従来、血液検査や内視鏡検査、病理組織検査などが用いられてきたが侵襲性やコストが課題として挙げられる。近年、生体内の代謝物質を網羅的に解析することで疾患の動態を探る非侵襲的がん診断法が注目を集めている。なかでも揮発性低分子有機化合物(Volatile Organic Compound, 以下VOC)は、生体と高い病理学的相関を示すことから新たな疾患診断技術となる可能性があるが、口腔領域での応用はいまだ進んでいない。 我々はこれまでに独自に開発したVOC抽出手法を用いて、健常者と口腔がん患者の唾液中VOC成分分析を行い、病態とVOCの関連性について検討してきた。昨今の研究より、口腔扁平上皮がんにおいてがんの発生部位の違いにより遺伝子発現や蛋白コードに違いがみられることが報告されており、我々は口腔がんの部位により代謝される物質に違いが認められるのではないかという仮説をたて、唾液由来VOCと口腔がん部位特異性との関連性について解析を試みた。その結果、舌がん患者12名、歯肉がん6名から採取した唾液を用いた分析により、がんの部位に特異的なVOC成分およびサブバイオマーカー候補成分が明らかになった。本結果は、口腔がんの部位特異的バイオマーカーとしての活用が可能であることを示唆している。症例数に課題があるものの、こうした研究の方向性は新しい口腔がんスクリーニング検査法の開発につながるのではないかと考えている。 今年度は唾液を用いた口腔がんスクリーニング方法の開発と今後の課題について総説論文を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
部位特異的なVOC成分の発生メカニズムの解明を検討する必要があるため
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今後の研究の推進方策 |
代謝物組成解析ソフトOriginPro 2023bを用いて、VOC検出量を濃度パターンで示すヒートマップ解析、主成分分析等を行い、有意に発現した成分の発生メカニズムを検討する。
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